「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(2)

 さすがに、マスコミの報道はすばやい。
 上記タイトルで検索すると、ABC WEBNEWS http://webnews.asahi.co.jp/abc_2_002_200804301201007.html
Asahi.com.関西「文化軽視に府民の怒り PT案に文化関係者ら緊急シンポhttp://www.asahi.com/kansai/news/OSK200804300072.htmlがヒットした。
 さて、私の方も続きを。注意事項は、昨日(4月30日)の日記をご覧いただきたい。

伊東(大阪府立上方演芸資料館 ワッハ上方館長)
 呼びかけをしていただき、ありがとうございます。
 文化施設(が)個々に署名を集めて(知事に提出しても)、なしのつぶてで、運動自体、どうしたらいいのか。今回こういう呼びかけを(していただいて、関係者が)一同に会して、大阪の文化の未来を考えようという会が発足した。
 PT試案が4月11日に出て、先週からPTと部局が、大阪府庁の中で公開協議を(行っている)。生活文化部は、4月25日(金)夕方4時からPTチームとの公開会議が行われた。マスコミ各社は入るが、(我々は)テレビで傍聴した。府庁1階会議室で傍聴し、翌日、新聞に出た。
 ポイント(を申し上げると)、生活文化部では、センチュリー交響楽団、ワッハ、青少年会館が取り上げられ、後半は、私立学校補助に時間を取っていた。
 知事の発言は、本音に近いところでは、「文化についての判断は、一番迷うところだ。よく分からない。最終判断をするためにも、これまでの文化行政を総括し、戦略を見せろ」と、部長、スタッフに指示していたが、(生活文化部のほうは)一方的に言われっぱなしで、有効な反論になっていない。 知事の文化についての持論はこうなんだ。「僕の持論は、文化は景観、街の顔である。空気感から府民が自然に醸成していくもの」と言う。
 橋下知事は、2月17日にワッハを視察し、1時間くらい館内見学し、30分くらいしか話し合いできず、3箇所視察した日に、(さすがに文化は要らんとは言えず)、「文化は残しましょう。残し方が問題です。残し方については検討したい。文化は残さないかんなあ」と訳の分からんことをおっしゃったが、果たしてそうなんだろうか?
 知事の“文化”、どうか考えているのか? 御堂筋をライトアップ、飾り付けて人を呼ぶ、呼ぶことが文化、景観が街の顔(というが、知事の)文化のイメージは、文化ではなく、観光なんだと思う。(知事は)歌舞伎や文楽、上方芸能を実際にご覧になったことがあるんだろうか? (たぶんないと思う。)そういう方のセンス、感覚は怖いな、と思った。文化を外観や姿かたちでしか捉えていない。
 圧倒的多数(ということで)、発言力、権力がある、後ろには府民183万票がある、印籠のごとく(言われるが)、世論も80%支持率(があると言われるが)、数の力をあの人は過信している。
 あと1ヶ月の中で結論を出そうとしているし、何が有効なことなのか? 危機感を持っていただければ。5月末には、橋下PT案を通そうとする。大混乱が起こる。8月から政策として、府政としてやっていく。現場で大問題が、目に見えて起こってくる。
 文化、トータルで言えば、大阪の文化の未来をどう考えるのか? 文化は、銭にならんし、儲からんし、(というのが)知事の発言の隅々に出てくる。
 文化、どうしていこうか、連携、連帯(が必要で)、ここまで文化行政が危機に瀕しているところ、時はない。生活文化部の皆さんが、30年近くやってきた文化行政の理念を、知事と激論を闘わせて、論破して欲しい。生活文化部のスタッフが、この危機を乗り越えていこうという人の熱意がないと、これは乗り越えられない。
 我々も頑張るけれども、文化行政の現場で頑張ってきた(皆さんが)知事と闘うんだという気概を持って欲しい。
明日、生活文化部の部長と会う。
 文化は国の政策で、文化芸術振興基本法は、文化力を上げていこうという政策で、国の基本法で決められている。昨年2月にも閣議決定をして、地方自治体は文化振興をしなさい、大いに推進しなさい(と書いてある)。府条例でも、文化力高めていく、経済や街の発展(のために)文化を軸に据える(と書いてある)。そういう視点がないと、大阪が誇れるものは、どの文化なのか。ワッハに関しては、上方演芸(を扱っている)。大阪が誇れる文化とは何なのか? 我々は結束して認識せないかん。
 文化芸術振興基本法(を見ても)、自治体の役割として、「施設をなくす、廃止、統合、売却」など、どこ一つない。法律のどこにも書かれていないものを、橋下知事は、財政再建という名の下に、法律に違反しているのではないか? 運動の中で認識したのは、(橋下知事が)迷っているのは事実。はっきりモノを言わなければならない時、声が大きければ大きいほど、我々の声を突きつけなければ、あの人は動かないと思う。
 (ワッハについては)平成22年末までに移転しなさい、活動規模縮小して、運営管理費(委託料を減らして)、350席ホール要りません、という結論の下に、移転しなさいと言っている。移転といっても、取り潰しになるのは目に見えて分かっている。
 館長メッセージ(としては、知事の)、「なぜ千日前なんですか?」という問いは、核心に触れるところだ。(ワッハは)拠点なんです。毎日フル回転していて、月間100以上のホール公演を行っている。プロだけが使う訳ではない。公立ホール(だから)アマチュアも使う。広範囲の利用がある。平成19年度は、演劇の利用率が増えている。年間でホールは300日稼働(とすると)、演劇には90〜100日近く、使っていただいている。
 大阪市内で300席の中ホールは、ワッハしかない。近鉄小劇場扇町ミュージアムスクエア(が閉館して)、若手演劇人は、ウルトラマーケットhttp://www.banzai1za.jp/um/um1.html大阪城の中(の倉庫を使うなど)、300席近いホールを(使うのに)苦労して(いる)。
 改革PTチームhttp://www.pref.osaka.jp/zaisei/kaikaku-pt/shian/oyakenoshisetsu.pdfは、(ワッハの)代替施設として、Base吉本、トリイホール、一心寺シアターなど(を上げているが、これを見て)、唖然として、何の調査もなしに、こういうことよう書けるな、と思った。 ワッハ(のホールは)舞台美術(がちゃんとできる)ホールだが、何で(それが)トリイホールでできるんや。(改革PTの)代替案が(発表されたあと)、4月17日に大阪府庁で(記者会見をして)内藤君が吠えた、「こんなもの代替施設やあらへんで! PT案間違ってるで!」(と言った)。
 改革チーム(のPT案)は、実情をリサーチした上で書いたものではない。あくまでペーパー上で書いて、これはひどいな、(ということで)、反論の資料(を作っている)。他のホールとの違い、演劇(のホールとして)優れた機能があって、(ということを)データとともに、大阪府に提出(する)。
 文化は生き物(で)、生きた文化をホールで発信する、生のステージで見てもらって活動する、生きた劇場が公共ホールの役目だ。(我々は)取組みをしているし、このあと、演劇人とお話できればと思っている。


小堀 私は名古屋から大阪へ移ってきた移民だが、(ワッハのホールは)大阪府だけのものではなく、日本の財産だ。日本の財産ということは、人類共通の財産で、単に大阪府だけの問題ではない。費用対効果を超えてでも、行政がやらなければいけない。拠点(施設は)文化発信の(場で、そこで)いろんな人たちが出会う、コミュニケーションの場でもある。
    (以下、続く)

 とりあえず、ここまでアップする。朝食後、続きを入力する予定。