「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(4)

 休憩が終わったあとの後半部分のメモを復元する。発言者でお名前の漢字が分からない方もある。またメモが十分には取れていない箇所もあり、具体的な施設の沿革や活動内容をよく知らないために、誤解もあると思うが、その点はお許しいただきたい。

小堀 話をしたい人がたくさんいるので、(最初は)指名したい。アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)の大橋さん。


大橋 アジア・太平洋人権情報センターという、(演劇とは)少し違う財団の名前ですが、人の問題、誰もが与えられている人権(について)情報提供をしている。「館」を持っていないで、オークに入っている。(府は人件費が高いと言われているが、私は)団塊の世代に近い。女性政策課に何で男がいるねん、と言われながら4年間いた。(ドーンセンターの)計画作り、ハードを担当し、ドーンセンターには深い思いがある。財団をどうするか、ドーンをどうするか、アジア・太平洋人権情報センターの白石理所長のメッセージを読み上げたい。
 自治出資法人は、これまで大阪で文化を支えてきた。文化は財政に余裕があるときに(だけ行えばいいものなのか)、定かではない財政改革で(文化を潰してしまい、余裕ができたら)文化を興しましょうでは遅い。3月初め、ヒューライツ大阪に知事が視察に来た。設立以来、知事が視察に来ることは1度もなかった。結論ありきで、PT案では、研究成果は認めるが、府民に対して研究成果が還元されていない(と言われた)。補助金は全部廃止、府職員は引き上げ(とのこと)。研究成果は理解されず、何が無駄で、何が大切か、勝手に既定の結論を示された。すでに政策判断は示されている。あとは政治的駆け引きだけではないでしょうか? お金儲けとは本来関係がない。どうしてもなくてはならないものだから、行政がかかわってきた。行政の責任、義務だ。(今回の案は)行政による文化の破壊だ。
 (私は)大阪府庁に勤めて、大阪は人情味があってよいと、大阪府庁で30年勤めてきた。御堂筋に光が灯されても、その光はあったかくないと思う。

小堀 阪大総長の鷲田さんが、大阪というまちは、学芸のまち、学問と芸術のまち、と言われていたが、改めてそういうことを思った。(続いて)青少年会館の新保さん。


新保 財団法人のプロパー職員だ。3月末日、定年退職した。その日の夕刊で、青少年会館の廃止を知り、ショックのあまり立ちすくんだ。青少年会館OBとして、ワッハ、ドーン、児童文学館は館をあげて、館長先生が先頭に立って廃止反対運動をされている。青少年会館はえらく立ち遅れていると思われるのではないか。指定管理で、セラ・ルージュというプラネットの食堂をやっている会社が、三社一体で運営して3年目になる。http://www.pref.osaka.jp/gyokaku/hyoka/H17_kohyo/oyake/oyake_keitai.pdf
 館長が先頭に立って館の意義というムードがなく、反対運動は盛り上がってこなかった。財団法人大阪府青少年活動財団は、大阪府青少年野外活動協会と大阪府青少年文化協会が合流して、府立青少年会館(の運営を担い、)現在の青少年活動財団が出来ている。http://www.yso.or.jp/whats/index.html
 文化協会の流れを汲む、青少年会館はどういう施設なのか? 40年前から出来ていて、まわり舞台も、オーケストラピットも、奈落もある。
 歴史が古いホールで、アマチュアの文化の殿堂だ。バレエや吹奏楽のメッカだ。小ホールではいろんな活動、公演がされた。16〜17年前、プラネットステーションが代わって建てられ、委託事業、主催事業も展開した。http://www.opyh.jp/inst/
 プラネットステーションは、140席のホールが4階にあり、音楽スタジオがあり、ダンスや演劇のレッスン(もできる)。パブリックスペース(もあり)、若者が毎日集まってくる施設だ。10年前、劇団登録では200近く登録があり、本館会議室も13くらい部屋があるが、劇団の稽古場として(使われている)。200劇団が20回稽古している。大阪市内の200劇団分、稽古されていた。
 大阪市立勤労青少年ホールは、無料施設(だったが)、2年前からなくなり、昨年から全然使えない。小劇団や、アマチュア劇団が稽古できる場が大幅になくなる。演劇の将来にとっても、大変なことになる。実態は、(青少年会館の)会議室が稽古、練習に使われている。
大阪の文化を支えている子どもたち、青少年の磁場をなくしてしまうことにつながる。
 (以下、続く)

 まだまだ、執念で続けます。