干潟合宿(2)

takibata2008-05-08

 今朝、小田中さんのブログを見て、驚いた。http://d.hatena.ne.jp/odanakanaoki/(更新停止のお知らせ)
 さらに、田崎さんの日記を見て、また少し別の意味でため息をついた。http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/0805.html#06 お手本(憧れ?)にする相手が偉すぎるので、まあ、落ち込んでも仕方ないのだが。


 こちらはたらたらと、合宿回想録(2)を書く。
 5月4日(日)、外が明るくなって自然と目が覚める。昨晩寝付けるかと思ったのは数分のことで、あとは熟睡したらしい。宿舎は板敷きの上にカーペット、その上に薄いマットと、あとは毛布とシーツ、枕だけ。明け方寒かった。
 午前中は、中津干潟(三百間)へ行った。三百間は砂浜が続き、その背後に、塩生後背湿地がある。中津干潟をフィールドにしているWさんが参加されていたので、Wさんにくっついて、植物の名前を教えてもらう。私が分かったのはハマエンドウだけで、ハマボウフウコウボウムギ、ハマサジ、ハママツナ、フクドウ(ハマヨモギ)、コウボウシバ、ハマボッスコマツヨイグサを教えてもらった。誰かが捨てたのか、ウチワサボテンが広がっていたのと、ユッカランも生えていた。
 植物の名前は、フィールドノートに書き、デジカメで写真をとったが、両者をぴたりと照合させる方法はあるだろうか? デジカメに日時の設定をして、フィールドノートにも、時間をメモしておくというのはどうだろうか。
 潮がだんだん引いていき、葦原へ移動する途中、男の子が砂浜で鳥の卵を見つけた。コウボウムギの芽生えの間に、砂に少し窪みを作っただけで、卵が二つ並んでいる。
 葦原の中の泥干潟では、ヤマトオサガニやアシハラガニ。I学芸員に、クロヘナタリの見分け方を教えてもらう。クロヘナタリは、日本では有明海と周防灘の一部にのみ生息しているとのこと(『干潟を考える 干潟を遊ぶ』44頁)。流木には、殻を持たない有肺類のセンベイアワモチ。
 倒木がゴミと一緒に転がる狭い葦原には、貝類がゴロゴロいるらしい。倒木をひっくり返した裏側を、H評議員が説明しくれる。ナラビオカミミガイ、キヌカツギハマシイノミ、クリイロカワザンショウ、オカミミガイ(有肺類)、を教えてもらう。このあたりは、合宿で貰った資料と、『干潟を考える 干潟を遊ぶ』をめくってみて、全体の中の位置づけが、おぼろげながら分かってくる。干潟合宿の1回目などは、なぜウミニナ?というあたりがさっぱり分からなかったのだが。それに、このようなゴミと一緒に倒木が散らばっている場所など、以前なら、汚いとしか思っていなかったのだが、生き物がたくさん生息している場所だと認識をあらたにしたのは、私にとっては干潟合宿の最大の成果か。泥干潟も同じで、汚いと思っていたのは大間違いだと、これは1回目に気づいた。
 午後からは中津干潟(大新田)へ移動。砂干潟で、もっぱら貝堀に興じる。地元のおばさんが貝堀をしているのを拝見すると、シオフキをたくさん採っている。シオフキはたくさんいるが、目指すはアサリ。ハマグリも採れたが、H評議員の指示で、小さいアサリ、ハマグリはみな海に戻した。
 昨日、書き忘れたことに気づいたが、曽根干潟では、地元のおじさんたちのアナジャコ釣りも拝見した。干潟の表面を掘って、アナジャコの穴に筆を入れ、アナジャコが筆を押し出してくるのを待つのだが、この日はさっぱりかからず、バケツの中のアナジャコを見せてもらうだけで終わった(5月3日)。その日のうちに書いておかないと、いつ、どこでの出来事か、すぐに分からなくなってしまう。なにせ、いずこも泥まみれの記憶でいっぱいだからだ。
 5月4日の夜は、また宿舎で映写大会。マテガイ堀りの動画などに興じる。
 写真は、中津干潟(大新田)でのまとめの様子(2008年5月4日撮影)