干潟合宿(3)

takibata2008-05-09

 5月5日(月)の未明、まだ外が暗いうちに目が覚める。寒くて、毛布をもう一枚用意しておかなかったことを後悔する。同じように早朝に目覚めて、そっと出入りする人も。あとで、バスの中で話したところ、もともと布団が変わると寝付けなくて、3時間程度うつらうつらしただけという人もおられたようだ。それでも、こういう合宿に参加される根性がすごい。やはり、植物が一番お好きとのことで、バスの中で、麦の見分けたかなど教えて下さる。
 面白かったのは朝食の時間。たまたまWさんの隣に座ったのだが、私のアサリの味噌汁の中から出てきたカニを欲しいと言われる。お椀の底にたくさんのボウシロピンノ(オスは黒い)、ガキヅメピンノ(オレンジと白)が入っていたのだ。カニをまず紙ナプキンの上に並べ、ガラス瓶の中にエタノールを入れてカニを収納されていた。
 宿舎の掃除を済ませて出発。まず、宇佐干潟(久兵衛新田)に着き、鳥の観察。肉眼で見えたのはダイサギ。双眼鏡で見えたのは、チュウシャクシギ。あと、他の方が持ってこられた望遠鏡で、岩の上に乗って魚を食べている鳥が見えたが、名前をメモし損ねた。双眼鏡と望遠鏡で、こんなに見え方が違うのだということを始めて実感した。考えれば、分かることではあるが。鳥見はよほど根性がないと出来ないなというのが、とりあえずの感想。近くで手に取って見ることができないので、臨場感がないというか。(自分の身近なところで繁殖する鳥は別)
 午後からは、寄藻川河口右岸ヨシ原へ行く。堤防の下に降りて、昼食。食べ終わるとすぐに河に入る。泥干潟の上は、足の踏み場もないくらいウミニナの集団が散らばる。何がポイントかよく分からなかったので、Nさんのあとをついていくことにした。前日、Oさんが、Nさんのあとにぴったりついて、生き物を探しておられるのを見ていたので、私もそれに習った。今日は、Nさんと、貝に詳しいというTさんが一緒におられる。お二人が、ソトオリガイを掘り出される。私にも、簡単に掘れた。それに、Nさんは干潟にじっとしゃがみこんでおられるので、尋ねると、カニが出てくるのをそっと待っておられるのだそうだ。
 私も真似をして、干潟にしゃがみこんでじっと待つ。すると、しばらくすると、穴から小さなチゴガニが驚くほどたくさん出てきて、ウェービングを始めた。壮観。私が少しでも動くと、カニはさっと穴に隠れる。泥の中に、こんなに生き物がいることが、驚き。
 そのあとは、岸近くに戻り、子どもたちといっしょにトビハゼを探す。私が見つけて、叫んで、子どもたちが素手で捕まえ、プラケースの中に入れていく。わずかの時間の間に、小学生4人で10数匹を捕まえ、最後に、全部逃がしてやった。
 堤防の上は風が強く、予定より1時間ほど早く引き上げることになった。JR柳ケ浦駅にて解散、オプション参加の方々は姫島へ向かった。ということで、無事、2泊3日の干潟合宿は終わった。そして、ここから、内省の時間が始まる・・・続きはまた明日。
 写真は巣穴から出てきたチゴガニ(2008年5月5日撮影)。