干潟合宿を終えて

takibata2008-05-10

 5月5日、特急ソニックという格好良い列車に乗って、別府へ出て、別府湾沿いの温泉ホテルに宿泊。海を挟んで高崎山が目の前に見える。
 一番大きな宅配便用のダンボール箱を買ってくると、ちょうど、道具を入れて持ち歩いていた洗濯籠がすっぽり入る大きさだった。改めて、洗濯籠(スーパーの籠の大きさ)の中身を出し、長靴やスコップなどを洗面所の温泉と思しきお湯で洗う。ドライヤーがあるので、タモ網まで乾燥できた。泥の衣類なども洗い直して、ダンボール箱に詰める。翌日使うもの以外は、全部、箱の中に入ってしまった。あと数センチ、箱が高かったら、リュックもたたんで入れてしまいたかったが、残念ながらそれは無理だった。


■ 荷物覚え書き:
1.洗濯籠方式は、これを持って新幹線に乗るのを恥ずかしいとさえ思わなければ、大正解。多少、重いのは気になるが、釣用長靴を入れるのにちょうどよい。小さなバケツ、スコップ、熊手、タモ網などがすべて収納できる。汚れを気にせず地面に置けるし、水洗いOK。帰宅後は、何食わぬ顔をして、書類入れ等に転用できる。N会長にこの話をしたら、「授業のプリント入れて教室に持っていくのにいいね」とのお言葉。
2.ウェストポーチは、チャックが3つぐらいあるのがよさそう。H評議員のがそうだったような。チャックが1個だと、貴重品などを落としそうで使いづらい。
3.デジカメ、双眼鏡、ボールペンは、紐をつけて、首にぶら下げないと不便極まりない。
4.スコップなども、腰にぶら下げられるように工夫できないか?
5.釣具屋か、カメラ屋で売っているような、ポケットの多いメッシュのベスト。買いたかったけど、お店に行く時間がなかった。フィールドノートなどが収納できれば便利。とにかく、両手が空くことが、一番大事。
6.スーパーの袋と大きなビニール袋。持って行ったが、もう少し余分にあればと思った。


 さて、このホテルは夜も朝もバイキング。夕食時、隣のテーブルがとても面白かった。
 「あ、ケーキ!」「誕生日の意味ないやん、あ、まぶた閉じてる。○○ちゃん、起きて!」「ケーキ注文してたんですけど、もう寝ちゃいそうですから」「ケーキ、届いております」「あっ!カメラ忘れた!」ヤンママカップルに、おじいちゃん、おばあちゃん、3歳くらいの女の子、今日が誕生日の男の子は、2歳になるらしい。
 ケーキが運ばれて、ロウソクが2本立てられて、やっと戻ってきたパパがデジタルビデオを構える。「おばあちゃん、早く帰って来て!」おばあちゃんは、ライターを取りに行っていた。
 やっと全員が揃って、あまりの賑やかさに、ヤンママが周囲を見回し、「すみません、すみません」。ロウソクに火を灯して、パパに抱っこされた男の子がロウソクを吹き消すと、食堂中から拍手が沸く。絵に描いたようなニッポンの家族の、ローカル和風温泉ホテルでの1コマ。


 アルコール飲み放題だったので、この日は、9時ごろには寝てしまった。結果、また夜半過ぎに目が覚める。もう眠れないので、あれこれと、いろんなことを考え出した。
 最初に考えたのは、8年ほど前に読んだF学芸員の言葉。正確には覚えていないが、「大阪の自然を知らなければ、西表島の自然のどこが特殊かは分からない」といった内容だったと思う。今回の干潟合宿では、主担当のI学芸員が、割と意識的に、大阪湾では見られないけど、ここでは、といった説明を心がけて下さっていたように思う。『干潟を考える 干潟を遊ぶ』の「生き物の個体群の孤立化」(99−101頁)あたりを読むと、ウミニナ観察の意味も分かってきたように思う。
 そしてだんだん、思考は、大阪市立自然史博物館と、大町山岳博物館という設立年も誕生の経緯もよく似た館の、その後の違いがなぜ生じたかに、移っていく。設置主体の市の財政規模の違い、筒井さんが専任館長だったのに対し、羽田さんは専任になることがなかったこと、博物館を支えるプロ・アマ層の厚さの点で立地条件が大きくものを言うこと、関西人と長野県民の性格の違い、千地先生の人事戦略・・・
 しかし、そういう比較の論文を書くんかい?という自分へのツッコミ。
 結局は、これからどうする?みたいな、堂々巡りにまた陥る。
  
 写真は、鉄輪温泉の鬼山地獄(ワニ地獄)での迫力満点ワニ(2008年5月6日撮影)