大阪府労働情報総合プラザ・大阪社会運動資料センター見学会

takibata2008-05-28

 谷合さんの熱意にほだされ、「大阪府労働情報総合プラザ・大阪社会運動資料センター見学会/図書館・博物館における専門スタッフの役割を考える集い」に参加してきた。http://shaunkyo.exblog.jp/8149308/ 存続運動に協力するなら、現場を見ておきたいという気持ちが強かったからだ。
 夕方5時に労働情報総合プラザに集合し、大阪社会運動資料センターの書庫や資料室を案内していただいた。参加者は12名ほど。以下は、谷合さんのお話をメモしたものから再現した(間違っていたら、お知らせ下さい。訂正します)。【谷合さんから早速、訂正のお願いを連絡いただいたので、修正します(太字が修正箇所):29日】

 大阪社会運動資料センターは、2000年まで、2万冊の蔵書を一般公開せず所蔵していたが、これらは、主として『大阪社会労働運動史』編纂のための本で、(編纂が終わった頃)、府から、(財)大阪社会運動協会に大阪府労働情報総合プラザ運営委託の話があった。労働情報総合プラザは府商工労働部の所管だが、府職員の出向はない。財団に委託されてから、利用者は8年間で4倍に増えた。社運協の所蔵資料のほとんどは、寄贈によるもので、購入資料ゼロの年もある。予約をしてもらえば、机も使え、籠もってもらえる。デンバー大の研究者が1年間、ここで調査をしたこともある。
 社会運動関係者の個人の伝記や、追悼集、葬儀の際の追悼パンフ等も含めて集めている。新聞は、大阪朝日新聞と大阪毎日新聞明治20年からの関連記事を、マイクロフィルムから、学生がアルバイトでコピーし、手書き目録も作って保存しているが、記事は湿式コピーで、劣化が心配である。
 未整理の、箱に入った資料には、大規模な労働争議のあった近江絹糸の若い人たちが始めた“らくがき運動”のガリ版刷り資料などがある。
 組合関係資料は、連合ができた際に、二つの大きな組織それぞれが所蔵していた資料が、すべてこちらへ来た。弁護士事務所が持っていた、戦前の発禁書も寄贈されているが、保存処理は今後の課題だ。
 大阪府の(労働情報総合プラザ)の書庫に、社運協の資料も入っている。(プラザが)廃止になると、本は残ったままとされるが、所蔵資料をどうするのか、PT案に含まれていない。能力開発協会がプラザに寄贈した古い職業訓練のフィルムもある。
 社運協では、企業広報誌や市民団体のミニコミも集めてプラザの開架コーナーに配架している。社運協の歴代スタッフと関係者による寄贈が所蔵資料の8割程度を占める。労働情報総合プラザの開架コーナーには、社運協の蔵書が1万冊程度ある。


 メモはこの程度だが、拝見した資料の中には、社会教育史の研究に使えそうな資料がたくさんありそうだと感じた。近江絹糸の“らくがき運動”はその典型だし、ガラスケースの中には、「神戸社会教育協会設立趣意書」があった。ここの資料を使えば、関西圏の戦後社会教育史の一側面が、かなり明らかになるのではないだろうか。
 谷合さんは、アルバイトから入って、確か28年、大阪社会運動資料センターで働いておられるとのお話で、バイタリティー溢れる方だ。拝見した資料類も、今後の課題はあるものの、随分整理が行き届いていると感じた。谷合さんとは初対面だが、集いが始まる前に、同級生では?と尋ねられた。なんと、文学部時代の同級生だったらしい。集いについては、後ほど。
 写真は、大阪社会運動資料センターの所蔵資料・近江絹糸の「らくがき運動」等(2008年5月28日撮影)。