見学実習(茨木市立キリシタン遺物史料館)

takibata2008-06-28

 今日は半日の見学実習本番。普段は、土曜2限にやっている学内実習を、午後に振り替えて、阪急バスのバス停に集合。千提寺口行きのバスは、阪急茨木駅前始発、JR茨木駅を経由していくので、どちらかのバス停に集合で、バス内で落ち合うことにした。12:42阪急発、12:52JR発、そこから40分ほどかけて、千提寺口バス停に到着。小ぶりの雨。
 下見は2週間前だったが、千提寺口からは歩いていないので、道を間違えないか不安だったが、学生さんが先に道標を見つけてくれて、15分ほどで史料館に到着した。
 今日は東家のおばあちゃんが受付の日で、ビデオのテープをぽんと渡して下さる。デッキとモニターのコンセントを挿して、皆であちこち押してビデオを再生。これがなかなかよくできたビデオなのだった。じゅうたんを敷いた小さな展示室の床に座って、ビデオ鑑賞。終わって、くるりと向きを変えると、おばあちゃんも床に座っておられたので、質問タイムにさせていただく。いきなり学生さんに、質問は?とふっても無理だろうと、あれこれと聞き取りを始める。館の運営のこと、集落のこと、お寺のこと、学校のことなど。この千提寺の集落では、専業農家は1軒だけで、三島ウドを栽培されているそうだ。三島ウドを栽培しているのは、千提寺では今は2軒だけとのこと。(いつのまにか、地理のエクスカーションのノリ)
 おばあちゃんは、もう88、9歳になられるそうだが、とてもお元気。こういうほのぼのとした時間を共有できることがうれしい。聞き取り調査で話題がどんなふうに、行きつ戻りつしていくかを、学生さんたちに体験してもらうことができたのではないだろうか。
 史料を拝見したあと、帰路のバスは15:43なので、隠れキリシタンの里が世に出るきっかけとなったクルス山の墓碑を見に行きましょう・・・と水を向けて、幸い雨も上がっていたので、急な下り坂をがんがん下って行く。すぐに「愛と光の家」まで出て、高山右近像の前で記念撮影。天満宮を過ぎ、田んぼの脇をぐんぐん進んで、白い祠の先の笹の中に、分け入る。躊躇したらみんな二の足を踏むだろうから、スーツ姿のT先生にごめんなさいと言いながら、雨に濡れた笹をかき分け、まっすぐ行って、左、右・・・かなりいい加減だが、迷わず墓碑の前まで出た。慶長8年の上野マリヤさんの墓碑で、中央上部に「千十字」が刻まれている。バスの時間が迫って来たので、今度は、一度も通ったことのない、南側の道を急ぐ。宇賀大社、まだま村を過ぎ、早足で歩くと、男子学生1名を除き、女子学生たちは、はるか後ろ。バス停にたどり着いた時は、みな汗だくだった。
 どうも学生さんたちは、“山道を歩く”という経験をほとんどしたことがないようなのだった。私としては、こんなのは歩いたうちに入らないと思うのだが・・・
 博物館実習は、まず歩くことからか・・・「高度な学芸員」ならぬ、「体力のある学芸員」養成メニューはいかがだろうか?
 写真は、茨木市キリシタン遺物史料館ロビーにて(2008年6月28日)