ベルゲン急行(8月29日)

 8:11オスロ発、ベルゲン行き(61)。窓側(Vindu)で予約を取っていた。乗り込んでみると、進行方向に向かって、左手の席で、氷河や草地を見るには、こちらが当たり。ただし、最後の1時間くらいは、右手のほうが、美しい川の流れを見ることができる。車内はかなり空いていて、席にこだわらなければ、予約は不要だった。4人掛け席で、しばらく誰も来なかったので、窓の広い側に移る。出発間際に、若い男性が乗り込んできたので、元の席に戻ろうとしたら、ノープロブレムとか何とか言って、通路を挟んだ反対側に座ってくれた。ビジネス客のようで、特に窓の外の景色には興味がなかったようで、ずっとPCで図面をいじっていた。
 列車は高度を上げながら、針葉樹林や、大きな湖や岩山の間を走っていく。11時半を過ぎると、高度が上がったか、耳がツンとしてくる。11:42、Geilo駅で大勢の人が乗ってくる。リゾート地だろうか。右手に入り組んだ湖があり、草屋根の民家も見えた。ワタスゲの湿原も。

 11:52、Ustaoset駅の手前だったか、樹木がまばらになり、岩や、川の流れ、湖、そして山肌に白いもの(雪か、氷河か?)が見え始める。でも、ほんの少しだ。

 12:22、フィンセ駅に到着。駅の下で、湖を眺めている人たちがたくさん。ここが、ベルゲン急行の最高所らしく、しばらくホームで停車。下車して、ホームでタバコを吸う人たち。湖の向こうに氷河があり、ホテルや、うろこ状の石屋根の民家も。


 12:39、サイクリングをしている人たちを見かける。ここはハイキングというよりは、サイクリングなのだろう、歩くには、ちょっと寂しすぎるかもしれない。こんな宿(?)に泊まってみたいが。


 12:56、氷河が融けて、湖に流れ込む。草原地帯を走り、ミュルダール駅の手前で木が生え始めた。進行方向の右側に氷河。ミュルダールを過ぎ、森林とやがて右手に川の流れ(この素晴らしさには、別の日に出会うことになる)。

 14:52、定刻どおり、ベルゲンに到着した。

 
 ベルゲン急行は、素晴らしい路線だが、昨年のスイスと比べると氷河の迫力が全く違い、正直なところ、物足りなかった。氷河、融けてるし(8月下旬だから、一番氷の少ない季節なのだろう)、鉄道路線としても、ベルニナ急行のほうが変化に富んでいる。歩くなら、やはり、ベルニナ急行沿線のパレー湖とラーゴ・ビアンコ湖周辺だ(生きている間に、絶対歩こう!)。
 とはいえ、ベルゲン急行でも、ずっと、窓にへばりついて、U字谷を眺め続けていた。