“Survival”

 フロム駅には、みやげ物店が何軒かあり、本を3冊買った。まずは1冊目。
Trond Strømgren“Survival The Illustrated History of Everyday Life in the Fjords”(Stromgren Publishing,2007)
 著者のTrond Strømgrenさんは、1961年生まれ、 Kystmuseet(coastal museum)in sogn og Fjordaneにお勤めだそうだ。
 この本は、ソグン・オ・フィヨラーネ県の地図を巻末に掲げ、本の前半は、フィヨルドや山岳地方の谷で働く農夫・農婦たちの日々の生活を、後半は、沿岸地域や海で働く漁師たちの生活を、過去から現在に至る多くの写真で描き出している。
 写真として目を引くのは、ハンティングの写真。鹿猟では、銃を持つハンターたちの前に、内臓が丸見えの大きな鹿が、14頭、ずらっと並べられている。2000年10月の週末の2日間で、Nordal Hunting Party(子どもも含め17人が写っている)がしとめたもの。彼らは、一年間に33頭の鹿を撃つことが許されているとのこと。
 熊を前にした写真(1894年)や、獲物のオオカミを背負っている写真(1950年)。オオカミは大きくて、猟師とほぼ同サイズ。7羽の鷲をハンティングした写真(1930年)、キツネを3頭ぶら下げた写真(1924年)。“Grouse Shooting”と書いて、長い棒に足のところで結んだ鳥がずらっとぶら下げてある写真(1927年)。辞書を引いたら、「Grouse=ライチョウ」。これはぜひ、大町に持っていかなくては。ライチョウは、ベルゲンの店で売られたそうだ。サーモンも、大人の男性の頭から膝のあたりまでのサイズで、20キロあったそうだ(1900年)。
 この本の素晴らしいのは、写真の撮影年、撮影場所、そして写っている人物やグループの名前が明記してあること。1944年に、Veiteberg in Stardalenで、馬を使って土地を耕しているのは、Jakob Veitebergさんと、Bjarne Befringさんです、といった具合。欄外には、地図が付いている。巻末には、写真のインデックスが付いていて、関連のあるアーカイブ、撮影者、提供者のリストが挙げられている。リストアップされているアーカイブや博物館を拾ってみた。で、それと思しきサイトも(便利な世の中になったものです。詳細は・・・ノルウェー語の辞書を買いましょう)。
Fylkesarkivet i Sogn og Fjordane  http://fylkesarkiv.no/
Sunnfjord Museum http://www.sunnfjord.museum.no/
Kystmuseet in sogn og Fjordane  http://sognogfjordane.kulturnett.no/kystmuseet/
 他に、本書で目を引く写真は、子どもたちが船に乗って、フィヨルドを渡る写真。通学のみならず、友だちの家に遊びに行くにも、ボートを使ったそうだ(1929年)。