全国博物館大会(日博協)(1)

 (メモ)来年度の大会は北海道旭川市で開催!(2009年10月1日・2日らしい)
・行政報告(by文科省栗原さん)

大学における学芸員養成の見直しについて
 検討協力者会議のWGにて、現行8科目12単位を9科目19単位に増やす方向性がほぼ固まる。今年度末を目標に、省令改正を行う予定。現行1単位科目(実質は2単位で行っている大学が多い)を、すべて2単位にする。新しく、「(博物館)資料保存論」2単位、「博物館展示論」2単位、現行の博物館情報論と視聴覚メディア論を統合して、「(博物館)情報メディア論」2単位、また現行の教育学概論を、「博物館教育論」2単位とする。

 以下、勝手にシミュレーションしてみた。【】とか★☆は私の落書き。(聞き書きメモを元にしていますので、間違いがあれば、ご指摘下さい。)なお()内の数字は、9科目あるか数えるために、便宜上つけたもので、順不同。
 博物館概論2→(1)博物館概論2
 博物館資料論2→(2)博物館資料論2
 博物館経営論1→(3)博物館経営論2【単位増】★
 博物館実習3→(4)博物館実習3
 博物館情報論1 統合
 視聴覚メディア論1 統合→(5)(博物館)情報メディア論2【担当者をどうする?】
 教育学概論1→(6)博物館教育論2【読み替えは可能?・誰が担当?】☆
 生涯学習概論1→(7)生涯学習概論2
         (8)(博物館)資料保存論2【New!】★
         (9)(博物館)展示論2【New!】★
 現行8科目12単位→【施行規則改正後】9科目19単位
★ 印部分の人件費が私立大学には苦しい。
教育学部系教員にとっては、狙い目科目(本当に博物館教育論になる大学がどの程度生まれるのか疑問)。わずかの受講生のためにこういう科目を単独で設置できる大学はどの程度あるのだろうか。「資料保存論」「展示論」は専門家でなくては、という議論は学内ではまだしも通りやすいと思うが、「博物館教育論」の独自性・専門性は、理解されにくいと思う。今いる教員で何とかしなさいという線になるのでは?(博物館教育論が理念的に無用だと言っているのではもちろんない。)

 なお、「博物館実習」については、3単位のままだが、実習のガイドラインを設ける予定。これは法律に基づくものではなく、文科省の指導資料といった位置づけ。また、大学での学芸員養成の見直しに伴なって、試験認定・無試験認定についても見直しが必要なため、現在、WGを作って検討している。
 年内に大筋をまとめ、年明けに検討協力者会議の報告書を出し、年度末に(施行規則を)制定するが、施行に際しては、3年程度の準備期間を設ける。なお、図書館司書についても同様の検討を行っている。
 来年度以降は、「望ましい基準」の(見直しを進める)。私立館をも含めた、博物館法改正を踏まえた基準を作る。来年度4月から検討を開始する。
 指定管理者制度については、制度施行後5年が経ち、指定管理だった館を直営に戻す動きがあるなどの動向がある。来年度は、「博物館にとっての指定管理者とは」というテーマで研究を進めたい。ただし、図書館・公民館も同じ問題を抱えており、社会教育施設として、政策的・戦略的に研究を進めていきたい。(その結果、総務省にも云々と、ここはよく聞き取れず。)

 とりあえず、自分の身の振り方に関係の深い部分だけ。
 ところで、朝、ご一緒した某館長は、「単位数だけ増やしたって、どうなるものではない」と言われていたが、現場の学芸員さんたちの大方の意見は、そうなのだと思う。大学の学芸員養成課程に対する根深い不信・・・

 盛りだくさんのメニューだったが、日博協の今後をどうするか(新公益法人制度への対応)について、山西良平館長と、佐々木秀彦さんから提案・問題提起があり、この問題は、帰宅後、アップしたい。