モヨロ貝塚館(6月25日)

 美術館を出たのが4:40頃。まだ間に合うかも、と大急ぎでモヨロ貝塚館へ急ぐ。以前来た道が記憶に残っていて、網走川を渡り、ああ、あの造船所、と懐かしく眺める。橋を渡ると館への道案内が出ていて、川に沿った道を急ぐ。



 貝塚館は空いていて、しかも遺跡には同じ飛行機で来た先客2人と、もう1人、見学者がちょうど館から出て来た。チケットを買って、一人階段を下りる。
 何も変わらないままに、展示は残っていた。私の大好きな展示。ここは、土曜日の見学コースには含まれていないので、ぜひ再訪したかった。
 熊の頭骨の展示。

 頭にオホーツク土器の甕を冠せた埋葬人骨。

 そしてモヨロ貝塚最上層に包含されていたアイヌ人の仰臥伸葬。モヨロ人の埋葬方法とは方位体位ともに異なるそうだ。

 5時の閉館までわずかな時間だったが、小さな空間で満足感に浸る。7年前だったか、本館の網走市立郷土博物館でお話を伺った際、ここは、遺跡整備をして何か新しい施設にリニューアルする計画があると伺って、いや、今のままのほうがいいですよ、とお話したことを覚えている。新しい観光目的施設になったら、ここの良さは失われないか、心配なのだ。幸い、7年前のまま、ここは残っていた。
 次に網走に来るときまで、この展示は残っていてくれるだろうか? 「展示史」の貴重な、生きた資料だと思う。何度も振り返り、最後に、展示に向かって、バイバイ、と手を振った。


 館の北側はすぐオホーツク海で、水産加工の工場が並んでいる。前回来たときは、カマボコ屋さんと認識していたが(カモメがいっぱい寄って来ていた)、今日見ると、ホタテの加工所のようだ。海岸沿いをずっと歩いていく。ミニスカの女子高生2人が、海に入ったり、水鉄砲で水をかけあったりしながら海岸で遊んでいる。トラックの赤ら顔のお兄ちゃんが、ニヤニヤしながら通り過ぎた。