博物館網走監獄(6月26日)

 朝、バスに乗って博物館網走監獄へ行く。門のところに、「財団法人網走監獄保存会」とあり、まず公益法人改革はどうするのかな?と思ってしまう。
 中は、予想外にすこぶる面白かった。見るものみな、珍しかったが、まず興味深かったのは、「裁判所法廷」。実物大の人形を使って、法廷の様子を復元している。

 再現された法廷もしげしげと見たが、思わず目に入ったのが、「監視カメラ」の文字と矢印。これは、法廷に監視カメラがあるよ、という意味なのか、私たち来館者を監視しているのか? 手前の部屋に裁判員制度キャンペーンのポスターと啓発ビデオがあったので、いつの時代を再現しているのか、分からなくなるのだ。


 「監獄則図式」

 次に現れたのが「休泊所」。遠くで作業をする際の「動く監獄」だそうだが、中に寝ている人形の、布団から頭を出して並んでいる姿が、妙に遺体を想像させる。センサーで動くし、不気味だ。隣の「休泊所」に足を踏み入れて、思わず「キャ!」と言ってしまった。

 それから、旧網走刑務所職員官舎を見た。ここにも、「監視カメラ警戒中」の文字が。これで、私たちを監視しているのだ、ということがはっきりする。書いてあるだけ正直というべきかもしれないが、抑止効果を狙っているのだろう。

 「行刑資料館」。行く先々でガイドツアーに遭遇するのが、ガイドさんの声が耳についてならない。大人相手に、こういう話し方をするかなあ。ご本人たちはサービス精神のつもりなのだろうが・・・・
 ガイドさんを避けて、人のいない方へ、いない方へ行く。「網走外役所設置 先遣隊足跡」のジオラマに見とれる。低いところからのぞき上げるようなレイアウトがいいのだろう。緑と黄色のコントラストも効いている。


韓国の戦争記念館のジオラマみたいだな、と思う。
 囚人が隠し持っていた、手製のトランプ(反則品)。

 「五翼放射状平屋舎房」、パノプティコンか。


 それぞれの部屋の、トイレスペースのつくりに目を引かれる。最後に訪れた「二見ケ丘農場」のトイレと合わせると3パターンある。



 「浴場」、これまた流れ作業式の入浴方法の説明にびっくり。

 「教誨堂」に展示されていた図書貸し出しシステム。

 最後に「二見ケ丘農場」で、「監獄食」を食べる。マネキンの囚人たちに並んで、食事を取る趣向。たいへん美味。


 最後には、館内のあちこちに設置してある監視カメラに、すっかり慣れっこになってしまったが、くわばらくわばら・・・・