プラハ2日目

 8月17日(月)、朝9時、ちょうど天文時計の仕掛けが動くのを見る。それから坂道を登ってストラホフ修道院へ行った。

 最初に哲学の間、神学の間のある建物に入った。哲学の間は大規模な修理中、神学の間はすばらしく、長い間見とれていた。2つの部屋の手前に、貝や昆虫標本などを収納したキャビネットがたくさん並んでいる。その手前には、きれいな挿絵入りの14〜16世紀の聖書が並んでいて、保存状態もたいへんいい。860〜865年のものと思われる“The Strahof Evangelary”があった。
 外へ出ると、もう一つの入り口に遭遇。チケットを買って中に入る。内部は12世紀のロマネスク様式のホールとCellarium.廊下には、まるで実際のドアのように見えるフレスコ画

 そして冬の食堂と夏の食堂。この夏の大食堂天井のフレスコ画が見事。入館者が少ないのでこの部屋を独り占め。



 それから上の階のギャラリーへ行った。

 このギャラリーがまたすばらしい。14〜19世紀の絵画や木彫りのマリア像などがある。このギャラリーは、1834年に一般公開されたとのこと。1870年代には1,000点以上のコレクションを有していたが、1950年、コミュニスト政権下、修道院廃止によって、プラハ国立美術館(the National Gallery in Prague)へコレクションが譲渡(disposal)された。1992〜93年に修道院生活が復活すると、ギャラリーのコレクションの大部分を取り戻し、現在では約1,500点を収蔵している。・・・入り口のパネルに書いてあったのは、ざっとこんな内容だった。
で、the National Gallery in Pragueって、どこを指すのかな、と思った。この疑問は後に解決する。
 
 さて、次はプラハ城へ。ロングコースのチケットを買い、まず国立美術館・16〜18世紀ボヘミア美術部門へ。Antonin Jedlica(1833−1875)の“The Seven Acts of Mercy”など7点の作品が印象深い。Josef Navratil(1879−1865)の12点の小さな作品群も目を引いた。ここのショップで簡単な図録を買おうかと物色していると、“BOHEMIA & CENTRAL EUROPE 1200−1550”という図録を見つけた。で、その中の展示の様子は、昨日見たシュテルンベルク宮殿のものとは違う。どこだ??
 それから昨日のコンサート会場だった聖イジー教会にも再度入ってフレスコ画を眺め、そのあと王宮美術館へ。う〜ん、この辺になると色々見すぎて、もう何か覚えていないのだった。ここは16〜18世紀のチェコの作品が中心。
 ここからは消化試合で、旧王宮、「プラハ城についての展示」、と回る。後者は主に考古学展示で、「880年以前のプラハ城の人骨」がすばらしかった。戦士の人骨が完全な状態で展示されていて、長い刀が添えられ、他にも、axe(首切り斧)、steel(剣)、razor、ナイフ、短剣がある(・・・どれがどれかは分からないけど)。
 それから、カフカの仕事場があった黄金小路へ。ここは人が多すぎて風情もなにもない。
 聖ヴィート大聖堂には長蛇の列が午前中からずっとできていて、団体さんが多く、とても並ぶ気になれない。ここはワインだ!・・・で、昨夕、見つけていた、飲むならここ!のレストランへ向かう。ここは、プラハ城の南の出口に続く、坂道のぶどう畑の中にあり、プラハの街並みを一望できる絶景の場所。


 ワインとソーセージを楽しみつつ、先ほどの“BOHEMIA & CENTRAL EUROPE 1200−1550”の中を調べる。St.Agnes of Bohemia にある、と書いてあるが、St.Agnes of Bohemiaの所在地が不明。日本語ガイドブックにはないし。
 さて、聖ヴィート大聖堂に戻ると、案の定、行列はすっかりなくなって、すんなり中に入ることができた。

 イジー修道院横の国立美術館16〜18世紀ボヘミア美術部門のインフォの女性に、先ほどの図録を見せて、この美術館はどこにあるの?と聞いてみた。彼女はとても丁寧に、トラムで行く方法、バスで行く方法を教えてくれた。ふと、今日は開いているの?と聞くと、彼女も今日は月曜日だと気づいたようで、やはり休館日なのだった。“どこから来たの?”と聞かれたので、日本、と答えると、彼女は半年、日本にいたそうで、福岡と大阪に滞在したそうだ。大阪に住んでいる、というと喜んでくれた。でもって、件の美術館は、どうにも、私が泊まっているホテルのほんの少し北に位置するようなのだ!
 しかも、St.Agnes of Bohemiaは、聖アネシュカ修道院と読む・・・日本語ガイドブックに載っていた!
 さて、最後に、2005年オープンのフランツ・カフカミュージアムへ行った。『城』の手稿や、カフカ最期の手紙など。文学館の展示って難しいよな、というのが感想。カフカの生家があった場所も通った。