ウィーンへ移動・美術史博物館(KHM)

 8月20日(木)は、チェスキー・クルムロフからウィーンへ移動した。
 8:00、チェスキー・クルムロフ・バスターミナル発(最寄のHorni branabからは、ちょうどよい時間のバスがなく、バスターミナルまで行った。途中の坂道からは、町がきれいに見える)、このバスは、途中寄り道しながら地元の人たちを乗せてゆく。大半が敬老パスのような顔写真入りのカードを見せて無料で乗る老人たちで、高槻市営バスと同じだ。4階建ての中層アパートを経由して15分ほどで駅に着いた。
 8:38、チェスキー・クルムロフ発、1時間弱でチェスキー・ヴディェヨヴィツェ着。10:07、チェスキー・ヴディェヨヴィツェ発リンツ行き、EC101に乗る。いよいよ、チェコ共和国ともお別れ。国境近くの光景。オーストリアに入ると、起伏に富んだ景色は一段と明るさを増す。


 12:30、リンツ発、OIC549、ウィーン西駅着、14:18.地下鉄週間パス(Wochenkarte)を買い、地下鉄でVolkstheater下車。ホテルに荷物を置き、美術史博物館(KHM)へ行く。この日は木曜日で、21時まで開館。
 美術史博物館は巨大な建物。向い側には、これまた壮大な自然史博物館がある。

 美術史博物館の内部装飾には、クリムトの絵(アーチの両サイド)もある。

お目当ての2階の絵画コレクションへまず行く。ブリューゲル(父)の絵がたくさんあり、中でも、「バベルの塔」は壮観。横で模写をしている女性がいたが、彼女は右腕にギブス風のものをはめていて、ふと腱鞘炎のことを思い出す。私の手は、右手に力を入れたときに痛む程度に回復しているが、恐らく、ブリューゲルの細かい細かい絵を忠実に模写することで、彼女も腱鞘炎になったに違いない。ブリューゲル本人は大丈夫だったのだろうか?? 
 『農民の婚礼』や『雪中の狩人』、その他、子どもたちの遊びを描いた作品など、たくさんのブリューゲルの絵を見ることができ大満足。
 他に興味深かったのは、2作品について、ルーベンスのスケッチと、実際の大きな作品を並べて展示してあったもの。解説によればルーベンスのオリジナルスケッチは、たいへん自由で伸びやかで、このスケッチは、パトロンに見せるのにも用いられたとのこと。大作の制作には弟子たちがかなり貢献したようで、硬い描き方になっている。しかし、あの巨大な絵は、どうやって描いたのかな、足場でも組まないと手が届かないよ、と思った。
 他には、かわいいところで、CARLO MARATTAのMaria mit Kind(c.1660)や、ラファエロMadonna in the Meadow(1505/1506)、透明感があり、非常に美しい。最近はかわいいものは、素直にかわいい、と言える(?)ようになった。どういう心境の変化か。
 ともかくも、この美術史博物館は、その名に違わずすごいのだ。すっかり満足して、ショップでブリューゲルグッズなどを買い込んで、もう帰ろうかと思ったが、まだ中2階の古代コレクションを見ていないので、これも覗いてみることにした。
 時は夕暮れ時、人もめっきり少なくなった。エジプトのミイラに始まり、なかなか細やかなコレクション。


ざっと見のつもりが、それでは勿体ないと思い出した。ペルガモンとは一味違う、小さいけど見ごたえのあるコレクション。ガラス器が特に美しい。

彩色の道具を示した展示なども。


カメオなどのある部屋は照明を落としてあり、さながらナイトミュージアム。首だけの彫刻の並ぶ展示は、不気味。

しかし、恐るべし、ハプスブルク家

 このあと、帰路、ミュージアム・クオーター・ウィーンで食事をし、トークイベント(?)を少しだけ覗いて帰った。音楽コンサートかと思ったのだが、何か堅いお話のようで、しかし、話者も聴衆もビール片手という不思議な光景。文化・芸術の都ウィーンならではか??