ベルヴェデーレ美術館上宮/オットー・ワーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ/分離派会館

 8月22日(土)は、続いてベルヴェデーレ美術館上宮(19・20世紀絵画館)へ行った。朝10時開館、市電Dに乗って行った。


 20分前くらいに着いて、開館を待っていて正解。人の少ない状態で、クリムトやエゴン・シーレ、ココシュカの絵を見ることができたが、すぐに、団体さんでいっぱいになり、クリムトの絵など、解説が陣取るものだから、ろくに見られる状態ではなくなってしまった。ガイドツアーも弊害が大きい。
 クリムトの「接吻」は見ごたえがあったほか、Adam and Eve という作品も、色がきれいだと思った。前日見た、レオポルド・ミュージアムのDeath and Life が、思ったより色彩が地味な印象を受けたのに対し、ベルヴェデーレ美術館上宮のクリムト作品は、写真集などにある通りの派手さだと思った。
 他には、ダビッドのNapoleon on the St.Bernard Pass(1801)、う〜ん、ダビッドの作品ってこんなんか〜という。
 0階(地上階)には中世の作品がたくさんあり、特に、木造のマリア像や、祭壇(画にあたるもの)が全部木彫りでできているものがあり、目の至福を味わった。中世のコーナーは人も少なく、じっくり拝むことができる。
 また市電に乗って、カールスプラッツあたりで降りたものの、道に迷う。自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。あちこち歩くうち、オットー・ワーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツに遭遇。




 ここは、ウィーン・ミュージアムの分館のような形をとっているようだ。狭い展示空間には、オットーワーグナーの図面や建築模型など。
 さらに道に迷いつつ、分離派会館(セセッション)にたどり着いた。「黄金のキャベツ」を目にして一安心。



 地下に、クリムトの「ベートーヴェン・フリーズ」があり、これは特にクリムトファンでもない私でも、わあ〜すごいな〜と首を上に向けて長い間眺めていた。打ち放しのコンクリートの上に描かれた細かい金の線というのが、絶妙な取り合わせになっている。クリムトにしても、シーレにしても、他の人の真似ではない絵、ひと目でその人の絵と分かる絵を描いてしまうところが、飛びぬけた才能なのだろう。
 分離派会館には、現代美術の展示もあったが、これは、特に目を引くものはなかった。
 このあと、造形美術アカデミーへ行ったが、残念ながら、工事で閉館中だった。ガイドブックには、工事中でも、ボッシュの「最後の審判」は常時展示、とあったのだが、中に入れなかった。「最後の審判」は、よく似た絵を、ベルリンで見ていて気になっていたので、ぜひ見たかったのだが、残念。造形美術アカデミーは、クリムト、シーレ、ココシュカの出身校とのこと。これが美術学校?と思うような、堂々とした建物だった。