海の向こうの見聞録発表会

 今年で2回目の、大阪市立自然史博物館友の会の「海の向こうの見聞録発表会」こと、年忘れの会。年末の大忙しの時期に、よくこれだけの人が集まるものだと思う。数えていないけど、100〜200人の間くらいか。去年は年配の方が目立ったが、今年は年齢層もバラエティーに富んでいたと思う。プログラムはこんな感じ。

第1部(講堂)
・挨拶
・瀧端真理子(会員)「こんなに広いぞ!世界の動物園」
・中口譲(会員)「白鳳丸 ベンガル湾・インド洋見聞録 海賊?との遭遇」
・篠川貴司(会員)「マレイシア・サバ州タビン野生生物保護区のカエルなど」
・安井通宏(会員)・宮武頼夫(元館長)「今年の『トカラの島々』と1953年の『トカラの島々』」
・石田惣(学芸員)「喜界島は貝の島」
第2部(ナウマンホール)
・挨拶(西川嘉朗会長)
・波戸岡清峰学芸員)「カーボベルデで魚とり」
・稲本雄太(評議員)「小笠原探訪」
・内貴章世(学芸員)「中国調査紀行」
・閉会挨拶(谷田一三副会長)

石田さんのユーモア溢れる発表には脱帽。1953年のトカラのフィルムと当時の筒井館長の記録「トカラ列島科学調査について」(出典は何かな?)は、当時の貴重な資料だ。調査隊には、民俗学の鳥越先生なども参加されているのだが、現代の眼から読むと、「ありえな〜い」記述になっている。

谷田先生の最後のご挨拶も印象深く、「自然史博物館の問題は、学芸員さんたちが働き過ぎることだ。皆さんも、プレゼントでもいいから、友の会の会員を1人ずつ増やして下さい」と言われたと記憶している。

私の発表については、終わってから、「戦時中はベルリン動物園の動物たちはどうなっていたの?」との質問をいただき、これは宿題となった。最初は頭の中では、あれもこれも、と思っていたけど、15〜20分の持ち時間では、ほんのわずかしか紹介できないと思い、大興奮のベルリン水族館や、感激の台北市立動物園などは、全てカットした。文字通り、世界の動物園が、いかに広いか(=動物にとってまだしも望ましい環境が作られているか、動物と人との境界がいかに上手に作られているか)の話に絞った。伝統的家畜の保存や、スタッフの雇用の話などもしたかったけど、それはまたどこかで機会があれば。ベルリン水族館は、来年は、魚の名前も水草の名前も爬虫類の名前も調べるぞ!と思っているのだが、まあ、フィールド派の自然史博物館では場違いな話かもしれない。
第二部の時間帯は、ちょっと仕事絡みの話などで、あまり発表を聞けなかったのが残念だったが、その一方で色んな方とお話できて楽しかった。

さて、これで年内の外出予定は全て終わった。年内に締切があるものも、全て片づけた(はず)。なぜ、こんなに楽勝なのかというと、昨年からお正月に論文を書かなくなったからで、これはよくない話だ。調査にもとんと行かなくなったし。
何はともあれ、明日は待ちに待った「みどボン」設置(接続?)の予定。犬の目の横の皮膚の盛り上がりは、かぶれらしく、塗り薬を貰って様子を見ることになった。