近世古文書研究会

 久々に外出。連休初日の暖かい日とあって、最寄りのバス路線が走る国道が大渋滞。電車の中も満員。京都駅も人でいっぱい。近鉄も観光客でいっぱい。華やかな人ごみの中、じつに、地味〜な奈良県婦人会館なるところへ行く。
 全史料協近畿部会近世古文書研究会に参加。私は2回目だけど、何と今回で91回目だそうだ。藤本仁文さんによる「財団法人柳沢文庫の活動と課題」。「公益法人制度改革の渦中にあり・・・」という案内文を見て、これはぜひ行かなくっちゃ、と重〜い腰を上げて、出かけた。ちょうど、日程がよかったということもある。
 最初に司会・進行役のSさんから、「地域史料の調査研究を、お金がない中で仕事をつなげるのに、館の立ち上げや、新たな市町村史編纂といった独立事業が期待できない中で、どのような形が可能なのかを考えるステップにしたい。可能な形として財団というのがあるのではないかということで、長期間に活動を維持してきた事例として、柳沢文庫の藤本さんに報告をお願いした」といった趣旨説明があり、まず、私としては、ぶっ飛んだ。
 私の頭の中では、すわ、財団は存続の危機!みたいに思うのだが、歴史系の皆さんとは、まるで認識が違うようなのだ。というか、財団法人でさえ輝いて見えるほど、文献史学研究者の置かれている状況が厳しいということなのだろう。
 最初にびっくりだったが、藤本さんのご報告も、ロングの質疑応答も、非常に面白いものだった。今、ネットで検索してみたら、財団法人郡山城史跡・柳沢文庫保存会のHPには、ディスクロージャー資料として会計書類一式が載っていた。何も下調べなしに行くのではなくて、ちゃんとこの頁を見て、質問を考えてから行くんだったな、と後悔。でも、お話の中身は、ぜんぜん、そういう方向のものではなかったのは、ある意味当然で、ただ、財団の成り立ちや、現在の組織のお話は、民間財団の一例として、とてもリアルに感じることができた(博物館関係の民間財団は、おそらく非常に複雑な成り立ちや経緯があるのだろう。興味はあるが、あまり・・・たぶんほとんど・・・研究が進んでいない分野だと思う)。もちろん、藤本さんは非常に優秀な方なのだろう、学芸員としての本来のお仕事も、精力的にこなして来られたようだ。
 詳しくは、近日中にアップできたらと思う。

 奈良を出て、京都に出て、非常勤先の卒業記念パーティーにお呼ばれしてきた。帰りに、久々に(何年ぶりかに)河原町カトリック教会のあたりから河原町通りを四条まで歩いた。方向を間違えたかと疑うほどの、表通りの変貌ぶり。パチンコ屋やゲーセンや、カラオケ屋とか、やたらガラス張りの味気ない建物が並び、昔の河原町の面影はどこにもない。浦島太郎の心境。ずっと、京都には通勤しているのに、地下鉄利用のトンボ帰りばかりで、地上を歩いたことが、全くなかった。四条界隈は、思い出の中にだけあるのがよいのかもしれない。