ICOM上海大会2日目・3日目

 昨日は、急に寒くなったこともあり、また生まれて初めての国際会議出席で、夜になるとどっと疲れが出て(英語を聞いて、日本語でメモするのは不可能と知った。理解できたフレーズを英語のままメモする方がまし、と気づいた。中国語からの英訳同時通訳は猛烈なスピードで理解不能)、早くに寝てしまった。おかげで今日は、体力を回復。念願のMINOMミーティングにも参加でき、少し、日本人以外の人とも仲良くできた。これで今回の目標は達成!
 昨日は午前中が基調講演(演説?)。



お昼、偶然、JECOMS(日本エコミュージアム研究会)の大原先生に遭遇。大原先生も、MINOMの会合がお目当てとのこと。
午後からは、ICOFOM(Museology)のシンポジウムを覗いてみた。テーマは‘A New Global Ethics on Deaccessioning and Return of Cultural Heritage.’アバウトな運営で印刷物もなく、興味深い話のようだが、ヒアリングだけでは理解に苦しむ(同時通訳は、英語―中国語のみ)。
そして今日は、午前中はオープンフォーラムの‘China−Netherlands−South Africa Forum’に出てみた。この会は、よく練られた運営で、3カ国3人のプレゼンに対して、ディスカッションの後、予め配布されたオランダの冊子の裏表を使って、参加者全員で投票をするというディベイト方式。


このオープンフォーラムで発言していた中国とアメリカのお二人にたまたま、お昼に話す機会があり(日博協や科博の皆さんが、“Museums in Japan”を会場内で配布していたところで、アメリカ人のWさんが大原先生を探していた)、MINOMのミーティングにお誘いした。
午後、MINOM(International Movement for a New Museology)ミーティング。知り合いが増えて、やや安心して、小さな会議室に足を運んだ。文字通り、ラウンドテーブルになっていて、皆さん、フレンドリー。3名のプレゼンのあと、大原先生が簡単に日本の動向を話される。バイリンガルな主催者のお一人が、英語―スペイン語ポルトガル語(?)間を同時通訳。エコミュージアムのその後の動向(傾向?)を知ることができたし、こんなに簡単にMINOMにアクセスできたこと自体が驚きである。入会希望の紙も書いてきた。


参加者は、ブラジル、ギリシアポルトガルシンガポール、中国、アメリカ等20名程度、参加者全員で自己紹介。「ICOMは、古い組織だ。ICOM公用語が英・仏・スペイン語なのに、今次大会では印刷物が英語・中国語しかない、次回のリオ大会では、仏・スペイン語も!」と言語的多様性を重視されていたので、救われた思いがした。‘Sociomuseology 4’も頂いた。バックナンバーは、PDFがネットにアップされているという。

今回のICOMへの参加は22カ国から(もっと多いような気がしてきた。聞き間違いだったかも。正確なところは不明、11月12日追記)、と初日に聞いた。全参加者数は定かではないが、驚くほどの規模の参加者だし、数の上では少数派のアフリカ勢の活発な発言に驚いたし、皆、非常によく自分の意見を述べる。これが彼我の違いか、と身を以て知る。恐らく、内容的には、そんなに難しい話ではないと思うのだが、言葉の壁は厚い。全体会議では、日本語同時通訳もあるように聞いていたが、日本からの参加者が少なかったためか、日本語だけ外されていた。(同時通訳は、中、英、仏、西、露の5カ国語)。
お昼には、Museum Trade Fairを覗く。上海博物館や、台湾からの故宮のスタッフは、日本からと知ると、特別に立派な図録や案内をプレゼントしてくれた。国家湿地にワニがいる、と知ったのも、大収穫。11日のエクスカーション、このコースにすれば良かった。換えて貰えないかな?