和倉温泉/のとじま水族館

takibata2006-12-30

 27〜28日、能登へ旅行に行っていた。次女が抽選でJTBの旅行券を当てたのだ。2名1泊2日、全国100箇所くらいの旅館・ホテルから好きなのを選ぶことができるという豪華プラン。こういうこともあるものなのだ。
 誰と行くのかと思っていたら、結局私と行くことになった。日程を選んだ頃の予定では今年は論文を書き終わって、数年ぶりに年末年始はゆっくりできるはずだったのだ。
 割と近い場所で、海が間近の露天風呂という条件で探したら、和倉温泉になった。その後、例の本を読んだので全くの偶然なのだが、カンガルーハウスを間近に見たのだった(12月2日の日記http://d.hatena.ne.jp/takibata/20061202)。思わず次女に、将来食べるのに困ったら、ここに来るんだよと言い聞かせる。
 温泉も接客も申し分ないのだが、私自身の旅行のスタイルとは違うので、新しい見聞を広げたというべきか。夕食の会場では、元OSK団員による専属歌劇団のショー。次女はおいしい食事と豪華な接遇に素直に喜んでいたようだ。姉妹館の温泉までは、フロントスタッフが車で送迎してくれる。
 で、問題はたぶんそこで、歩いて2〜3分先のバス停までですら送迎車が出る。冷たい雨風の日には確かに助かり、非常に親切だ。でも、温泉客が温泉街を歩くことが全くといっていいほどないのだ。城崎や伊豆のような温泉街のそぞろ歩きの風情がない。海沿いには高層の旅館が立ち並び、あとは道路を車が駆け抜け、街並みはさびれている。旅館の中に大きなショッピングゾーンがあり、館内ですべてが事足りるようになっている。旅人にまるで町を見せないように、送迎車が行き来する。これが観光地なのだろうか。館内と外の街並みのあまりの落差に、暗い気持ちになる。
 28日、雨も降り出し、娘はそのまま特急に乗って大阪に帰りたい様子なのを、せっかくここまで来たのだからと無理やり「のとじま水族館」へ行くことにする。のとじま水族館は、私にとっては水族館の原点のようなところ。十数年前には、夏になるたび、幼い子どもたちを連れて何度もここに来た。イルカのショーを見たのもここが最初。真夏の青い海をバックに、見世物的ではなく小さい子どもたちにも大人にも見ていて楽しいショーだった。それは今も同じ。冬場はこじんまりした観客席の室内プールでショーが見られる。演目も語りも、そんなに変わっていない感じだ。館内も、じっくり見て回るのにちょうどよい大きさ。ラッコもいる。教育的配慮とアミューズメントのバランスがよい水族館の印象は始めからずっとある。今回10年ぶりくらいに訪れて、トイレなどの老朽化は目につくものの、好感度はそれほど変わらない。年内最後の開館日だし、雨風の寒い日だから、もの寂しい感じは避けられないが。
 新しくできた海の自然生態館には人の気配がなく、ウエディング会場として使われた名残の写真展示が、地方水族館の悲哀を感じさせる。繁殖賞もたくさんとっているまじめな水族館なのだが、入館者数は減少しているようだ。
 娘にどんどん、先をせかされる。もう見たでしょ、こういうところはデートで来たら絶対ダメだね、あ、二人ともこういうのが好きだったらいいのか、とか。結局、ゆっくり水槽を見ることはできず、それでも娘は買ったばかりのデジカメで写真撮影だけは楽しんでいた。
 この「のとじま水族館」は(財)石川県県民ふれあい公社の施設らしい。もともと公社が直でやっていて、指定管理者制度が適用されないパターンなのだろうか。http://www.pref.ishikawa.jp/kenmin/kousya/fureaikousha.htm
検索をかけると、県の「新行財政改革大綱」(H16年度実施状況、H17年度実施計画)に行き当たった。http://www4.pref.ishikawa.jp/a/www.pref.ishikawa.jp/gyoukaku/h17.pdf (pp.17−18)
2007年4月には新館オープンの予定で、日本最大のトンネル水槽ができるらしい。3割引きの優待券をもらった。「立体的展示」など、旭山動物園を後追いする様子だ。
あーっと、今はそんなことを調べている場合ではないのだった。
写真はのとじま水族館(2006年12月28日撮影)