豊橋市美術博物館

 今朝、起きると、顔はさらにひどいことになっていた。今日は幸い、家にいるからいいものの、明日からはちょっと憂鬱だ。考えても仕方ないことなので、全博協大会で回った博物館のことを忘れないうちに。

 今回の大会でよかったのは、初日に愛知大学で、3館(豊橋市美術博物館・豊橋市自然史博物館・豊橋市二川宿本陣資料館)の副館長さんがそれぞれ館の沿革や現状等をご報告下さり、それと連動する形で、翌日の見学コースが組まれていたことだと思う。記念講演をされた愛知大学の渡辺和敏先生のお話も、二川宿本陣馬場家の財政再建の話や船を用いた関所破りの話など、興味深く、翌日は、この渡辺先生が、バスで案内役を務めて下さった。

 「東海地域の博物館の現状と課題」と題された6月20日(金)の報告で、特に興味深かったのは、豊橋市美術博物館副館長、後藤清司先生のお話。こんな部分に興味を持つのは私だけだろうが、非常に印象的な話題があった。年代をメモしそびれたのだが、この美術博物館には、現在先送りされている整備事業計画がある(HPで確認すると、2002年4月に公表されたようだ http://www.city.toyohashi.aichi.jp/topics/200204.html#324)。

 基本設計のプロポーザルを行おうとしたところ、当時の市長から、(美術博物館は)公園のシンボルとなるのだから、(世界を視野に入れた)公募型のコンペをしようと言われ、2003年度予算を急遽変更し、2004年には公募方法検討委員会を作り、2005年度(にかけて)5回の委員会とWG5回を開催、2006年には市制100周年の記念事業としてコンペを行う予定だったのが、豊橋市の財政が急激に悪化、100億あった交付税が、50億からゼロへと減額され、財政計画の見直しを迫られることになった。市では、すべての大型事業を見直すことになり、コンペは延期された。(美術博物館としては)決して中止ではないと思っている。整備事業の必要性をアピールしたい。

 だいたいこういったお話で、館には申し訳ないが笑ってしまった。何で国際コンペなのよ、だ。首長さんは一体何を考えておられるのだろうか?? さて、一つ気になったのは、交付税がゼロ(不交付団体)になるということは、他市に比べれば財政状況がよい証だと思うのだが、当事者にとっては困った話になるということ・・・
 豊橋市の行財政白書(平成18年度版)はこちら→http://www.city.toyohashi.aichi.jp/zaisei/pdf/2006hakusyo.pdf
この白書の中では、「地方交付税は、中核市移行などに伴い11年度に増収となりましたが、13年度からは普通交付税の一部が市債(臨時財政対策債)に振り替えられたことや16年度からの三位一体改革の影響により減少し、引き続き厳しい状況になっています」と記載されている。交付税全体のパイが減少した影響ということであろう。

 さて、翌日訪問したリニューアル前の美術博物館は・・・。木喰展をやっていて、担当学芸員さんから説明があったが、「このご時勢ですので、巡回展でやっています」とのことで、展覧会の中身ではなく、もっぱら入館者(数)のお話だった。全体への説明が終わったあと、こっそりと、他にはどこの館を巡回するのですか?と聞いてみた。今回の木喰展の企画は、横浜のそごう美術館の学芸員さんが中心になり、新聞社の後援がついて、以下の6館を巡回するそうで、仏様もお忙しいことだ。

明石市立文化博物館(2007年10月6日〜11月4日)http://www.akashibunpaku.com/exhibition/042/042.html
福岡市博物館(2008年1月5日〜3月2日)http://museum.city.fukuoka.jp/jf/2007/mokujiki/html/mokujiki.html
京阪ギャラリー(2008年3月13日〜4月1日)京阪百貨店守口店(主催者のページではすでに情報が探せなかったので、大河内智之さんのHPで確認させていただいた。http://www.d3.dion.ne.jp/~kairyu/page098.html
山梨県立博物館(2008年4月5日〜5月6日)http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3nd_tenjiannai_08tokubetsu001.htm
豊橋市美術博物館(2008年5月16日〜6月22日)http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/frame-tenrankai20.htm
そごう美術館(2008年6月27日〜7月24日)http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/08/0627_mokujiki/index.html

 図録の解説は、どなたが書いておられるのかと、図録を後ろからめくってみた。開催館の学芸員さんでは、そごう美術館の方と、山梨県立博物館の方が書かれていた。
【おまけ】そごう美術館訪問記→http://d.hatena.ne.jp/takibata/20060824(2006年8月24日)今回、読み直してみて、当時の認識(研究機能)に訂正が必要なことが分かった。
 他の豊橋市内2館については、以下、続く(の予定)。