「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(最終回)

 後半のフロアからの発言のメモ復元の続きを。

越堂 「好きやねんドーンセンターの会」の越堂です。行政が文化を壊す。大阪の文化の灯を消してはいけない。何で5兆円の赤字があるの? 何で赤字なのか、ダム課に日参しているし、府営住宅についてもアポ取っている。
 急にこんなことで、本当に削減していかなければ(ならないものは何なのか?)大人も子どもも笑えない。「箱」だけ残しても(仕方ない)。2月29日に府議会前で春一番マーチをしたが、5月23日、御堂筋パレードをする。大阪府警にもう届けてある。10,000人パレードをやりませんか。


(お名前聞き取れず)
 財団法人大阪社会運動協会の○○です。(私たちの図書館は)、大阪府がやってきたアウトソーシングの成功事例だ。労働専門図書館として、2000年に大阪府は財団法人社会運動協会、府の外郭団体以外の民間の団体に(大阪府労働情報総合プラザの運営を)委託した。1年間に3,400人くらいの来館者だったのが、委託後は14,000人を超える来館者数となった。来館者増約4倍の実績だ。今月号の国会図書館の『びぶろす』のコラム欄に、私たちがどういうことをしているのか(を寄稿している)ので、国会図書館のHP(をご覧いただきたい。)http://www.ndl.go.jp/jp/publication/biblos/06.html (プラザの管理運営を)請け負って、人件費も落とし、来館者は増やしている。
 改革PTから通告を受けた。理由も何もなく、ある日突然、廃止するという。図書館は、明治から現代までの(資料を所蔵している)。『大阪社会労働運動史』8巻も発刊して、第9巻をこの夏には発行する予定だ。
こういう本を集めて、エル・おおさか(府立労働センター)の4階に、原資料を分野別に保管し、労働情報総合プラザとセットで(提供している)。1950年代の資料は、人が触るとボロボロになる。スキャナで取り込んで保存(しようとしているが、改革PTは)全て切り捨てようとしているのが、今日の段階だ。
 (我々の図書館は)労働者を守るための図書館だ。NTTや(大阪市役所の人は、うちへは来ません)、自前で本が買える。我々の図書館に来るのは、300人以下の中小企業の労務担当者や、労組関係者だ。そうした人たちが調べに来る。大阪が中小企業の街だから、働く者を法的に守る。そういう専門図書館を、今回潰してしまうという流れだ。(PT案では)7月末で廃止されてしまう。廃止前に見ていただきたい。


小堀 あとお二人で。


戸田 門真市議の戸田です。大阪府は、密集市街地に対する整備事業(への補助金を廃止しようとしているが、知事は、現場を見て)、「わあ、こんなひどい密集と知らんかった」、国が半分補助金を出していることも知らなかった。門真市を潰すPTプランだ。私は宣伝カーを持っている。大阪府庁に対する抗議を、一人だけどやっていく。


(お名前分からず)
 大阪市立大学大学院創造都市研究科の者です。福祉共生社会では、市民活動の力は、とても大事だ。社会人大学院生を育てようとしているが、自発的アマチュアの活動、さまざまな活動、さまざまなNPOが、よりいい社会を作ろうとしている。今、大阪で、文化・人権、全部切り捨てて、わやくちゃにしようとしている。大阪には、誇るべき人権文化がある。なぜ、労働(問題が)あるのか。大阪が日本一の大都市だったからこそ、古くからあった都市だからこそ、在日や、ニューカマーの問題がある。人権文化は捨ててはいけないものではなかったのか? 挑戦を受けて、ドーンだけを守ればいいというレベルの戦いではない。大阪で(関係者を)結びつけていく機会を次々に。
 市大で、シンポを行う。我々の力で、よりよい社会を作る。いろんな話を、何度も集まり、意見を交換し、ネットワークを広げたい。


小堀 5月10日は、児童文学館関係のシンポ(日本児童文学学会・関西例会)もあるんですね。じゃあ、市大のシンポかどちらかへお越し下さい。


伊東 4月23日に、シティプラザ大阪で、「府立の施設と文化を考える会」(が開催された)。大阪文化団体連合会、300会員が呼びかけ人になって、先週、会合があり、出席した。センチュリー交響楽団や、関西大文連、ユニオン関西本部(が)立ち上がろうではないか、という(話になった)。事務局は、自治労が(してくれることになった)。
 5月18日(日)に、大阪府文化大行動を午後1時から梅田あたりに集まって、アピールをする。府民に訴える。街頭宣伝行動をして、いろんな声を集めていく。この一と月に残された、我々の課題だ。
 

小堀 小劇場、コンテンポラリー(ダンスの)岩崎さん。


岩崎 続けていかなければいけないのは、対話だ。橋下さんは、対話なき切り捨てだ。40団体加盟連合体、表現者の側から、どうしたら、橋下知事のような、上昇志向でなくて、幼い頃から、子どもたちに文化を根付かせるか、対話を続けていくことを。
 PT案は、具体化(しておらず)、まだ行動を起こしていく術がある。NPO法人大阪現代舞台芸術協会DIVE http://www.ocpa-dive.com/にアクセスして(いただきたい)。継続して続けていくことが、新しい文化活動を切り拓いていくことだ。
   【完】

 ということで、昨日、会場で私がメモしたことは、ほぼ全部アップした。

 主催者の皆様、発表者の皆様、お疲れさまでした。勝手にメモを載せたこと、お許し下さい。あちこち間違っていると思いますので、必要があれば、ご連絡下さい。訂正します。

 以下、独り言。大阪の演劇人、パワーあるなあ。南陵さんもカッコ良かった。あんなふうに喋れたらいいなあと思った。さすが、語りのプロ。人様が話したことを文字化することで、少し日ごろの憂さが晴れた。私が言いたかったり、うまく言語化できなかったことを、言語化していただいたのは嬉しい。最終ラウンドは正直、ちょっと引いた。
 ありとあらゆる市民活動やら研究会やらから、かならず落ちこぼれてしまう私としては、さて、これからどうしたものか、というのが、正直な感想だ。

「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(5)

  最初に、Googleアラートで見つかった改革PT関連記事のご紹介から。
 デイリースポーツ「ワッハ関係者ら『文化行政の危機だ』」http://mainichi.jp/area/osaka/news/20080429ddlk27010534000c.html
 毎日新聞「府:PT案 「文化行政、話し合いを」 「府民の会」が知事に要望書 ◇音楽、演芸など24団体が会結成」http://mainichi.jp/area/osaka/news/20080429ddlk27010534000c.html
 MSN.産経ニュース「橋下知事が売却方針の博物館敷地から大型首長墓 売却は不可能?」http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080501/lcl0805011203003-n1.htm いよいよ奥の手の登場。
 また、府の「財政再建プログラム試案」HPに、和泉市長と泉大津市長の連名で、「府立弥生文化博物館の存続についての要望」と副知事の対応ダイジェストが掲載されているのに気づいた。http://www.pref.osaka.jp/zaisei/kaikaku-pt/shian/index.html


さて、シンポジウム後半の続きを。

小堀 文化情報センター所長の音田さん。


音田 文化情報センターの音田です。昭和50年代、40年代、黒田府政から岸府政に変わった頃、文化問題研究会、文化問題懇話会ができ、昭和54年に、「21世紀の大阪の文化はどうあるべきか」という提言が、一番最初に作られた。
 現代美術センター、アートセンターの一角に、文化情報センターが作られ、(生涯学習センター構想の中で)、文化振興が大事ではないか(ということで)文化が(教育委員会から)知事部局に移され、文化振興室ができた。そのあとに兵庫県が(つくり)、全国の文化行政をリードした。
 大阪府は財政難で、うちのセンターは行革の度に場所を移された。新聞社を定年退職(するに際して、お話をいただき、定年まで1年待ってもらっていた)1年の間に、大変ひどいことになった。スタッフは非常勤嘱託に切り替え、正規職員は一人になった。
 「なにわ塾」は名物講座だったのに、いつの間にかなくなっていた。新聞も廃止され、文化情報センター自体が廃止の対象になるというひどい状況だ。生活文化部の担当者はコロコロ変わり、4人変わった。文化芸術振興基本法が出来て、府も、振興条例を作った。
大阪府文化振興条例http://www.pref.osaka.jp/bunka/shinkoukaigi/jourei.htm
 府は文化振興プランを(策定して)、各施設の新しい活動を(ということで)新なにわ塾を(立ち上げ)、生活文化部から2回シリーズでようやく本も出た。昨年度予算で出版したが、それで終わりというのは、あまりにひどい。
 PT案では、「公的施設としての役割が終わった」の一言。単に貸し館を止めているから公的施設ではない、すでに終わったものである(と、PTとは)そういう考え方をするところ。文化情報センターは、役割があると思っている。生涯学習推進プラン、近畿各地の大学とネットワークを組んだ。定年後を有効に(使っていただける)。
 昨日、山崎正和先生が、読売新聞文化欄に、文化行政のあり方で、疲弊しているという、「大阪の品格を問う」という(記事を書かれている)。医療や道路や教育と同じように、文化は社会的インフラで、(大阪府は)怠慢であるという内容だった。兵庫県は、当時の知事は、文化立県の時代だと認識していた。ポスト工業社会の創造的な人材(を育てる)。
 文化情報センターは、ワッハやセンチュリー交響楽団と比べると、つつましい。西鶴ホールは180人(入った)、HPや情報誌(などの活動をしてきたが)、紙媒体は一切ダメだということになり、チラシ(を置いたり)、情報展示や閲覧コーナーも廃止(されれば)文化情報センターではなくなってしまう。発信していく機能、なくなってしまう。


小堀 (文化情報センターの講座の)挫折担当で呼んでいただいた。(では、フロアからのご発言を)


たまり 「大阪国際児童文学館を育てる会」は、児童文学館(を守るために)スタートした勝手友の会です。勝手連がついているのは、ここだけではないでしょうか。(府が)止めた、ということもあるかと危惧し(て出来た会です)。
 昨日の毎日新聞に、橋下知事が幼稚園児の父母と話している記事が出ていたが、「こんな大阪にしたのは有権者の責任」http://mainichi.jp/kansai/hashimoto/news/20080429ddn041010013000c.htmlと発言していた。「痛み分け合い」大キャンペーンが張られている。(まるでこれでは)「欲しがりません、勝つまでは」だ。私が子どもの頃、国民の圧倒的な大キャンペーンがあった。“国民が持っているものを(お国のために)出しなさい”、と。 借金と、文化論は、何の関係もない。文化に何の責任もない。世論を作り上げないと、大動員される。(私なんかつい、何で文化が必要かと追及されると、うっと詰まりそうになるが)、詰まっちゃいけないんや。堂々と言わないと世論は変わりない。予算をつけるかつけないか。岸知事が何で作ったんですか? 公共とは何なのか、我々の側(から見れば)、府は自分の作った子どもを殺して、犯罪だよ。文化以前の問題だ。


旭堂南陵 ワッハ、センチュリーの存続運動に関わっている。カエルの面に小便で、兵糧攻めしていかなあかん。イチョウ並木のライトアップなんて、大変な無駄だ。10億円かかるそうだ、1年間ライトアップしようとすると。近畿地方整備局に行って聞いてきた。財政難といいながら、自分のやりたいところには、(予算をつけようとする)。近畿整備局は知らん顔しとこうと(思っているようだが)、府がやっている事業に対して、楔を打って(いかないと)。署名運動やったって、彼に対して有効打ではない。省エネの時代、(新緑の季節にまで)イチョウに光当てたら、イチョウが休む暇がおまへんわな。早よう枯れるの分かっている。イチョウよりも文化に光を。 市町村は、府民税を代理徴収している。いややったら、代理徴収するの、ボイコットしたらよろしいがな。民放連も、橋下の出る番組、公平性を欠く。こちらから働きかけていかんと。
 生活文化部長さんも、水道のほうに飛ばされてしまった。イチョウ並木のライトアップ、そこから角度を変えて、近畿地方整備局さんとスケジュール組んでやらせていただきます。
  (以下、続く)

 だんだん、会場はフィーバーしていく。

「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(4)

 休憩が終わったあとの後半部分のメモを復元する。発言者でお名前の漢字が分からない方もある。またメモが十分には取れていない箇所もあり、具体的な施設の沿革や活動内容をよく知らないために、誤解もあると思うが、その点はお許しいただきたい。

小堀 話をしたい人がたくさんいるので、(最初は)指名したい。アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)の大橋さん。


大橋 アジア・太平洋人権情報センターという、(演劇とは)少し違う財団の名前ですが、人の問題、誰もが与えられている人権(について)情報提供をしている。「館」を持っていないで、オークに入っている。(府は人件費が高いと言われているが、私は)団塊の世代に近い。女性政策課に何で男がいるねん、と言われながら4年間いた。(ドーンセンターの)計画作り、ハードを担当し、ドーンセンターには深い思いがある。財団をどうするか、ドーンをどうするか、アジア・太平洋人権情報センターの白石理所長のメッセージを読み上げたい。
 自治出資法人は、これまで大阪で文化を支えてきた。文化は財政に余裕があるときに(だけ行えばいいものなのか)、定かではない財政改革で(文化を潰してしまい、余裕ができたら)文化を興しましょうでは遅い。3月初め、ヒューライツ大阪に知事が視察に来た。設立以来、知事が視察に来ることは1度もなかった。結論ありきで、PT案では、研究成果は認めるが、府民に対して研究成果が還元されていない(と言われた)。補助金は全部廃止、府職員は引き上げ(とのこと)。研究成果は理解されず、何が無駄で、何が大切か、勝手に既定の結論を示された。すでに政策判断は示されている。あとは政治的駆け引きだけではないでしょうか? お金儲けとは本来関係がない。どうしてもなくてはならないものだから、行政がかかわってきた。行政の責任、義務だ。(今回の案は)行政による文化の破壊だ。
 (私は)大阪府庁に勤めて、大阪は人情味があってよいと、大阪府庁で30年勤めてきた。御堂筋に光が灯されても、その光はあったかくないと思う。

小堀 阪大総長の鷲田さんが、大阪というまちは、学芸のまち、学問と芸術のまち、と言われていたが、改めてそういうことを思った。(続いて)青少年会館の新保さん。


新保 財団法人のプロパー職員だ。3月末日、定年退職した。その日の夕刊で、青少年会館の廃止を知り、ショックのあまり立ちすくんだ。青少年会館OBとして、ワッハ、ドーン、児童文学館は館をあげて、館長先生が先頭に立って廃止反対運動をされている。青少年会館はえらく立ち遅れていると思われるのではないか。指定管理で、セラ・ルージュというプラネットの食堂をやっている会社が、三社一体で運営して3年目になる。http://www.pref.osaka.jp/gyokaku/hyoka/H17_kohyo/oyake/oyake_keitai.pdf
 館長が先頭に立って館の意義というムードがなく、反対運動は盛り上がってこなかった。財団法人大阪府青少年活動財団は、大阪府青少年野外活動協会と大阪府青少年文化協会が合流して、府立青少年会館(の運営を担い、)現在の青少年活動財団が出来ている。http://www.yso.or.jp/whats/index.html
 文化協会の流れを汲む、青少年会館はどういう施設なのか? 40年前から出来ていて、まわり舞台も、オーケストラピットも、奈落もある。
 歴史が古いホールで、アマチュアの文化の殿堂だ。バレエや吹奏楽のメッカだ。小ホールではいろんな活動、公演がされた。16〜17年前、プラネットステーションが代わって建てられ、委託事業、主催事業も展開した。http://www.opyh.jp/inst/
 プラネットステーションは、140席のホールが4階にあり、音楽スタジオがあり、ダンスや演劇のレッスン(もできる)。パブリックスペース(もあり)、若者が毎日集まってくる施設だ。10年前、劇団登録では200近く登録があり、本館会議室も13くらい部屋があるが、劇団の稽古場として(使われている)。200劇団が20回稽古している。大阪市内の200劇団分、稽古されていた。
 大阪市立勤労青少年ホールは、無料施設(だったが)、2年前からなくなり、昨年から全然使えない。小劇団や、アマチュア劇団が稽古できる場が大幅になくなる。演劇の将来にとっても、大変なことになる。実態は、(青少年会館の)会議室が稽古、練習に使われている。
大阪の文化を支えている子どもたち、青少年の磁場をなくしてしまうことにつながる。
 (以下、続く)

 まだまだ、執念で続けます。

「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(3)

 続きをアップする。注意事項は、4月30日の日記をご覧いただきたいが、何分、メモの主である私はこの分野に疎いため、多くの漏れ、誤記があると思う。そのつもりでお読みいただきたい。

田上(ドーンセンター事業コーディネーター)
 ドーンセンターには上にホールがあって、500人席(がある。)ドーンセンターを建てた職員がノウハウを持って、ワッハへ行った。ドーンは男女共同参画社会づくりのための拠点施設で、女性問題は男性問題でもあり、総合的に解決していこうと、14年前にオープンした。心をこめてたくさん(の人が)ドーンセンターにかかわって、誕生する前に16年間語り合った先輩たちがいた。
 (女性問題の)解決の拠点は、(全国に)300箇所くらいあるが、文化を事業にしているところはそんなにない。300以上ある中で、文化事業をここまでやっているのは、ここだけ。
 14年前にオープンしたが、(16年前の基本構想では)、ハード面では、ホール(があり)、会議室ではビデオが見られる。視聴覚スタジオを(設け)、全館CATVでホールで流れたものを(全館で見れるようにしよう、という計画もあったぐらい)、女性文化に関する関心度は、大阪府の行政は高かった。
 私自身はカナダにいて、TV局(で働いていたが)、カナダは文化度が高く、カナダでの文化庁にあたる(部署は)、表現するものに対して助成金が出る。それを支えるTV局の仕事(をしていた)。女性についてのドキュメント(を作っていた)。
 1988年、大阪府は建物を建てた。基本構想には、女性たちの文化表現者を育成しよう、女性が元気になれば男性も元気になる、性別・年代を超えて交流できる(と書かれている)。 
 大阪府がアプローチしてきたとき、文化事業を入れていることに、心惹かれ、かかわってきた。ドーンセンターは拠点施設で、セーフティネットとして相談(事業を行っているが)、全員が相談に行くのか? DVの相談にしても、日本のDV法改正の際に基本にしたのはアメリカで、アメリカのお手本はカナダだが、カナダでは一本のドキュメンタリーのビデオがDV法を作った。DVも、相談事業は全てを解決しない。DVはどんなものであるか、ビデオ講座(を行うこともある)。男性の仕事の仕方、子どもの引きこもり、といった作品を作り、流していた。
 ドーンセンターのオープン当初、2点についてこだわった。1つは、内容は女性たちが元気になる、新たな自分の役割を発見できる(こと)、2つ目は、いいものを見せたい、一流のものを見せたい。一流のものは、誰が見ても心惹かれるだろう。アマチュアよりプロのものを見せたい。(それには)どこかで拠点があり、継続してやり続けないといけない。
 文化表現事業に、ドーンセンターは大きく貢献した。私自身が表現者だ。表現できることのパワー、力。自分が何であるかの道筋(を確認することでもある)。総合的な支援を。それぞれいろんなアプローチの仕方があり、みんなが持っているのは文化ではないか。
 文化、教育は時間がかかる。一度途切れたら、戻しにくい。今、最大の危機で、(他の自治体の施設では)なぜ、女性文化ができなかったか。(文化は)専門性が高いからだ。ドーンセンターは、(他の自治体から)相談を受けたが、根付かなかった。(ドーンセンターを)大事にしたい。
 カナダに10年いて、国際的に見ても、日本の女性の地位は低い。韓国は(女性の地位が低かったが)、文化政策を持っている。大統領になった李さんは、もとソウル市市長だが、女性(問題)に関しても力を注ぐ人で、公的施設、(女性の)センターを作った。ドーンセンターも交流(してきたが)、文化表現の(分野で)ソウル女性センターは、(もと市長の貢献で)、ソウル女性映像フェスティバルも(行っている)。映像フェスティバルというのは今まで西洋のもので、アジアでは中々根付かなかった。ソウル女性映像フェスティバルは国際的に評価を受けている。


小堀 ここで、呼びかけ人を(ご紹介したい)。岩崎正裕さん、福本年雄さん、そして大谷燠さんは、フェスティバルゲートで公設民営の小劇場を運営されていて、4,000万円借金をして、フェスティバルゲートが破綻したから出て行ってくれと言われて、東大阪にDANCE BOXを(移転された)。


大谷 全国津々浦々、フェスティバルゲートの話で呼ばれて、3年前までは、大阪市とアートNPOの成功事例として呼ばれていた。(最近では、)なぜダメになったのか(を聞かせてくれ、と呼ばれる)。
 経緯は、2001年3月に、大阪市現代芸術アクションプランが策定されて、(2002年に)5年で見直しがある(ものの)10年続くということで、3つの(団体)、(コンテンポラリーダンスのDANCE BOX(http://www.db-dancebox.org/top.htm)と、情報メディアアートのremo(http://www.remo.or.jp/j/index.html)、現代音楽のビヨンドイノセンスが、大阪市の事業(ということで)NPO法人化した。新世界で、5年目の見直しはあるとはいえ、10年やっていけるつもりで4,000万円借金をして、焼き鳥屋の跡を、劇場、カフェ、書籍、事務所、楽屋、倉庫に(改装した)。
 外部委員による評価は、2年間は公表されて、いい評価だった。コンテンポラリーダンスは先駆性を持ち、量的に支持する人は少ない、(一度に)300人くらいだけど、量の問題を言われると弱いけれども、新しい価値観を起こす芸術を大阪市は支援していかないと(というものだった)。エンターテイメントとアートは向かうものが違うという言い方を(していた)。ニューヨークでは、なぜ(芸術を)行政が支援するかというと、エンターテイメントは支援しない、ブロードウェイで踊ると(生活していける)が、(踊りを作っている)コレオグラファーや作詞作曲家は、食べていけないから支援していかないといけない、(と考えて支援している)。
 先鋭的な(表現)や、古典作品、オペラなどは新作を作るのに1,000万円くらいかかり、一回の公演で回収できない。大阪市現代芸術アクションプランでは、評価の定まっていないアートを支援する(と書かれ)、2年目まではいい評価を受けていたが、3年目は公表されず、5年目には出て行く(ことになった)。知らないうちに、「文化集客アクションプラン」に変わっていた。あとで、すりかわっていた。 行政とアートNPOは、どのように共同していけばいいのか。フェスティバルゲートは、指定管理者制度が導入される前だが、公設民営(の施設で)アートNPOが運営管理(を担い)、事業費は、年内で1〜2本だけ委託費が出て、管理運営の人件費はゼロ、自分たちで(施設の)修理を行う。公共ホールと違って、企画に自由度が大きい。自分たちで考えたことができ、ファンドレイジングする。特徴的な活動を起し、たくさんの人が見学に来、注目されていた。アクションプランは、なぜ勝手に消えてしまうのか。中・長期的な文化政策大阪市は持てなかった。
 担当者が異動して、私たちと共同性が持てない。大阪市の人と話していても虚しい。協働ではなく、処置しよう、になる。(自治体は)中・長期的な文化施策、大きなストーリーを持たないとダメだ。
 大阪創造都市(、創造都市というのは)ユーロッパ中心に(言われた概念で)、近代産業が破綻した都市を芸術によって再生させようという(考え方だが)、創造都市戦略は大きなストーリー性を持つ。
 今起こっている問題は、いかに芸術文化は大切なものか、費用対効果では(測れない)、文化の論理と経済の論理は違う、芸術文化の持つ力は、(先ほどの田上さんのお話の)ドキュメンタリー映画(のように)、社会の中で孤立している人たちに手を差し伸べることができる。教育や福祉に(通じ)、犯罪を防ぐ役割もする。クリエイティブな力、コミュニケーション力があり、即効性があるものではないが、長期的な展望を持って、守り育てていかねばならない。
 アートそのものを、私たちはどうして社会化(するか)。アウトリーチ活動、教育や福祉の現場へも出掛けて(いる)。DANCE BOXは、障がいを持つ人と表現を通じて語りあう(活動もしている)。
 多様な価値観が存在する社会の中で、共生する力をアートは持っている。「新しい公共」という考え方を持っておく必要がある。これまでの「公共」は量に換算されてしまう。「量=公共」と考えられてしまう。多様な価値観と、「新しい公共」が共生できる社会を作っていく。
 繁盛亭は、半月で数万人が(集まったが)、甲子園球場は1日で4〜5万人集める。それでも繁盛亭(の周辺の)商店街が変わった。文化の波及力だ。「新しい公共」を担っていく、専門的な知識を持って、蓄積は財産だ。なくなっていくことに対して、僕らは声を上げていかないといけない。


小堀 10分間休憩にします。
   (以下、続く)

 メモ起しは、午後に再開の予定です。
 

「大阪の文化の未来を考えるシンポジウム」(2)

 さすがに、マスコミの報道はすばやい。
 上記タイトルで検索すると、ABC WEBNEWS http://webnews.asahi.co.jp/abc_2_002_200804301201007.html
Asahi.com.関西「文化軽視に府民の怒り PT案に文化関係者ら緊急シンポhttp://www.asahi.com/kansai/news/OSK200804300072.htmlがヒットした。
 さて、私の方も続きを。注意事項は、昨日(4月30日)の日記をご覧いただきたい。

伊東(大阪府立上方演芸資料館 ワッハ上方館長)
 呼びかけをしていただき、ありがとうございます。
 文化施設(が)個々に署名を集めて(知事に提出しても)、なしのつぶてで、運動自体、どうしたらいいのか。今回こういう呼びかけを(していただいて、関係者が)一同に会して、大阪の文化の未来を考えようという会が発足した。
 PT試案が4月11日に出て、先週からPTと部局が、大阪府庁の中で公開協議を(行っている)。生活文化部は、4月25日(金)夕方4時からPTチームとの公開会議が行われた。マスコミ各社は入るが、(我々は)テレビで傍聴した。府庁1階会議室で傍聴し、翌日、新聞に出た。
 ポイント(を申し上げると)、生活文化部では、センチュリー交響楽団、ワッハ、青少年会館が取り上げられ、後半は、私立学校補助に時間を取っていた。
 知事の発言は、本音に近いところでは、「文化についての判断は、一番迷うところだ。よく分からない。最終判断をするためにも、これまでの文化行政を総括し、戦略を見せろ」と、部長、スタッフに指示していたが、(生活文化部のほうは)一方的に言われっぱなしで、有効な反論になっていない。 知事の文化についての持論はこうなんだ。「僕の持論は、文化は景観、街の顔である。空気感から府民が自然に醸成していくもの」と言う。
 橋下知事は、2月17日にワッハを視察し、1時間くらい館内見学し、30分くらいしか話し合いできず、3箇所視察した日に、(さすがに文化は要らんとは言えず)、「文化は残しましょう。残し方が問題です。残し方については検討したい。文化は残さないかんなあ」と訳の分からんことをおっしゃったが、果たしてそうなんだろうか?
 知事の“文化”、どうか考えているのか? 御堂筋をライトアップ、飾り付けて人を呼ぶ、呼ぶことが文化、景観が街の顔(というが、知事の)文化のイメージは、文化ではなく、観光なんだと思う。(知事は)歌舞伎や文楽、上方芸能を実際にご覧になったことがあるんだろうか? (たぶんないと思う。)そういう方のセンス、感覚は怖いな、と思った。文化を外観や姿かたちでしか捉えていない。
 圧倒的多数(ということで)、発言力、権力がある、後ろには府民183万票がある、印籠のごとく(言われるが)、世論も80%支持率(があると言われるが)、数の力をあの人は過信している。
 あと1ヶ月の中で結論を出そうとしているし、何が有効なことなのか? 危機感を持っていただければ。5月末には、橋下PT案を通そうとする。大混乱が起こる。8月から政策として、府政としてやっていく。現場で大問題が、目に見えて起こってくる。
 文化、トータルで言えば、大阪の文化の未来をどう考えるのか? 文化は、銭にならんし、儲からんし、(というのが)知事の発言の隅々に出てくる。
 文化、どうしていこうか、連携、連帯(が必要で)、ここまで文化行政が危機に瀕しているところ、時はない。生活文化部の皆さんが、30年近くやってきた文化行政の理念を、知事と激論を闘わせて、論破して欲しい。生活文化部のスタッフが、この危機を乗り越えていこうという人の熱意がないと、これは乗り越えられない。
 我々も頑張るけれども、文化行政の現場で頑張ってきた(皆さんが)知事と闘うんだという気概を持って欲しい。
明日、生活文化部の部長と会う。
 文化は国の政策で、文化芸術振興基本法は、文化力を上げていこうという政策で、国の基本法で決められている。昨年2月にも閣議決定をして、地方自治体は文化振興をしなさい、大いに推進しなさい(と書いてある)。府条例でも、文化力高めていく、経済や街の発展(のために)文化を軸に据える(と書いてある)。そういう視点がないと、大阪が誇れるものは、どの文化なのか。ワッハに関しては、上方演芸(を扱っている)。大阪が誇れる文化とは何なのか? 我々は結束して認識せないかん。
 文化芸術振興基本法(を見ても)、自治体の役割として、「施設をなくす、廃止、統合、売却」など、どこ一つない。法律のどこにも書かれていないものを、橋下知事は、財政再建という名の下に、法律に違反しているのではないか? 運動の中で認識したのは、(橋下知事が)迷っているのは事実。はっきりモノを言わなければならない時、声が大きければ大きいほど、我々の声を突きつけなければ、あの人は動かないと思う。
 (ワッハについては)平成22年末までに移転しなさい、活動規模縮小して、運営管理費(委託料を減らして)、350席ホール要りません、という結論の下に、移転しなさいと言っている。移転といっても、取り潰しになるのは目に見えて分かっている。
 館長メッセージ(としては、知事の)、「なぜ千日前なんですか?」という問いは、核心に触れるところだ。(ワッハは)拠点なんです。毎日フル回転していて、月間100以上のホール公演を行っている。プロだけが使う訳ではない。公立ホール(だから)アマチュアも使う。広範囲の利用がある。平成19年度は、演劇の利用率が増えている。年間でホールは300日稼働(とすると)、演劇には90〜100日近く、使っていただいている。
 大阪市内で300席の中ホールは、ワッハしかない。近鉄小劇場扇町ミュージアムスクエア(が閉館して)、若手演劇人は、ウルトラマーケットhttp://www.banzai1za.jp/um/um1.html大阪城の中(の倉庫を使うなど)、300席近いホールを(使うのに)苦労して(いる)。
 改革PTチームhttp://www.pref.osaka.jp/zaisei/kaikaku-pt/shian/oyakenoshisetsu.pdfは、(ワッハの)代替施設として、Base吉本、トリイホール、一心寺シアターなど(を上げているが、これを見て)、唖然として、何の調査もなしに、こういうことよう書けるな、と思った。 ワッハ(のホールは)舞台美術(がちゃんとできる)ホールだが、何で(それが)トリイホールでできるんや。(改革PTの)代替案が(発表されたあと)、4月17日に大阪府庁で(記者会見をして)内藤君が吠えた、「こんなもの代替施設やあらへんで! PT案間違ってるで!」(と言った)。
 改革チーム(のPT案)は、実情をリサーチした上で書いたものではない。あくまでペーパー上で書いて、これはひどいな、(ということで)、反論の資料(を作っている)。他のホールとの違い、演劇(のホールとして)優れた機能があって、(ということを)データとともに、大阪府に提出(する)。
 文化は生き物(で)、生きた文化をホールで発信する、生のステージで見てもらって活動する、生きた劇場が公共ホールの役目だ。(我々は)取組みをしているし、このあと、演劇人とお話できればと思っている。


小堀 私は名古屋から大阪へ移ってきた移民だが、(ワッハのホールは)大阪府だけのものではなく、日本の財産だ。日本の財産ということは、人類共通の財産で、単に大阪府だけの問題ではない。費用対効果を超えてでも、行政がやらなければいけない。拠点(施設は)文化発信の(場で、そこで)いろんな人たちが出会う、コミュニケーションの場でもある。
    (以下、続く)

 とりあえず、ここまでアップする。朝食後、続きを入力する予定。