学会発表の巻

 数日前のこと。「学会発表が近いから、食べて食べて仕方がない」と私。M先生に、「前後の関係が分からない」と突っ込まれたが、とにかく、家にいて、発表の準備をしなくちゃと思うと、食べずにはいられないのだ。煎餅バリバリ、コーヒーがぶがぶ・・・やっとそんな生活から解放された。
 今日の未明、2時、3時を過ぎた頃から、やたら時間の経つのが早くなった。本当に間に合うのか? 5時半を過ぎ、大胆に章立てをカット、無理やり、終わりの文章を書いて、身支度をして、原稿をプリントアウトしたのは、朝の6時だった。タクシーを呼んで駅へ急ぐ。大阪駅環状線経由で、予定通り天王寺7:15発の阪和線に乗り込む。
 当初の予定では、早朝5時ごろには、駅前のコンビニへ行って、コピーをしてそのまま出掛けるつもりだった。でも、あっという間に6時を過ぎた。そのまま和歌山まで行ってしまうことにした。阪和線の快速は、2人掛けと、1人掛けシートで、とても快適。電車の中で、初めて原稿を読んで時間を計った。大体、20分でいけそう。和歌山に近づくにつれ、窓の外の景色が、あたたかい黄緑色に変わり、思わず景色に見とれてしまう。特急の「くろしお」や「オーシャンアロー号」とは違って、快速のスピードと窓の高さ、大きさは、窓の外を眺めるのに、ちょうどいい。田んぼの畦や土手に、ヒガンバナがいっぱい咲いている。こんなところをゆっくり歩いてみたいなあ・・・南紀三浦半島の、海辺のツヤの濃い林は大好き。時々停まる駅名も珍しい名前ばかり。途中、優等生っぽい高校生がたくさん乗り込んで来た。彼らのおしゃべりを聞いているのが、また楽しい。「宿題のプリント、答えだけ写して出すぐらいやったら、時間勿体ないやろ?」・・・なんだか、この学校は、携帯を持っているのを先生に見つかったら、解約させられるらしい。六十谷(むそた)という駅で、彼、彼女らはみんな降りていった。
 和歌山着8:13。駅前でコンビニを発見。幸い、コピー機は空いていた。ここで、私のような不届き者がもう一人いたら、万事休すだ。レジで、3千円出して、「コピー取るから両替してください」と頼むと、レジのお姉さんが何か困っている。「500円玉で6個ですよね」と私。彼女も隣のレジのお姉さんも中国人のようで、まだ日本語も日本のお金も覚束ない様子。ここは、日本か?と思わずタイムスリップ。
 コピー機は、最新式なのか色んな機能がついているようだが、処理能力が恐ろしく遅い。しかし、あせらない、あせらない・・・コピーを紙袋に入れてタクシーに乗る。
 和歌山の郊外へ向かう道は、ラブホや看板がやたら目立つ。はるか山の上が、和歌山大だという。運転手さん曰く、あの山にはANAの社宅もありますよ。その豪華ANAの社宅を過ぎ、え?これもラブホ?と思うお城のようなものがあった。それは、結婚式場なのだそうだ。そのお城の上に、和歌山大はあった。
 参加費を払って、会場に入ると、Sさんがおられた。今から作ります!と、机の上にコピーを並べ、Sさんほか、同じ会場の発表者の皆さんに手伝っていただいて、ホッチキス止めをしたのだった。>皆様、ありがとうございました。
 おかげ様で、今年もきわどく、間に合いました(内容不問)??

【9月21日訂正】帰宅後、マップを見たら、「ANA社宅」ではなく、「日航社宅」となっていた。運転手さんの勘違いだったのだろうか。和歌山バス路線図はこちら→http://www.wakayamabus.co.jp/wakanavi/MAP/pdf/wabusmap0803.pdf