進化生物学研究所バイオリウム

 昨日は、日帰りで東京へ。実習先へのご挨拶で、世田谷の進化生物学研究所へ。台風も去り、実習期間中ご多忙では、と遠慮しつつ、お電話してみると、丁寧かつフレンドリーな対応をして下さる事務局長さん。では、明日伺います、ということで、進化生物学研究所へ行くのだと思うと、ちょっと遠足前の小学生の気分で、心浮き立つ。朝も、最近の寝坊にかかわらず、しっかり起床。
 久々の東京は、まるで異国。品川駅で山手線を待っていると、美人のお姉さん2人は中国語。渋谷東急プラザB2Fのコムフォー渋谷店で、ベトナム料理。たいへん美味。
 渋谷からバスに乗った。沿線風景には本当にびっくり。高速道路を含め、街が立体化しているというか・・・私は井の頭線沿線で生まれ育ったが、幼い頃の思い出の中の東京の姿はどこにもない。ただ、地名だけに、かすかな懐かしさを覚える。
 バスに揺られること25分くらい。東京農大前に着く。事務局長さんのお部屋を訪ねると、机の上に、シーラカンスの本など。お電話ではてっきり事務系の方だと思っていたが、お魚のI先生だった。長年JICAにお勤めだったそうで、主任研究員の傍ら、事務局長も兼務されている。研究所に事務職員はおられないとのこと。
 こちらとしては、聞きたいこといっぱいで、公益認定申請のこと、シーラカンスのこと、JICAで赴任されていたボリビアやかの地のサボテンのこと、グッピーのこと等々、次々と教えていただいた。もちろん、実習のことも。
 シーラカンスのことで言えば、東京工大の先生が、CTスキャンしてみたところ、シーラカンスのおなかの中の赤ちゃんが共食いしているのが発見されたとか。グッピーはおなかの中では共食いしないそうだ。
 実習担当のH先生が、バイオリウムツアーをされるのを、実習生と一緒に参加させていただく。今日は、岩手県の農協ご一行の予約。30分ほどかけて、猿、ケヅメリクガメ、サボテン、多肉植物の説明をされていく。



 農協の皆さんは、金鯱を見て、これで何年くらいか、花は咲くのか?とか、どのサボテンについてだったかは忘れたが、食べられるのか?とか熱心。ここの金鯱は30年くらいだそうで、H先生は、大きくしようと思ったら、地植えにするのがいい、逆に鉢植えにすると締まっていい株ができる、盆栽のような。目的によって、育て方が違う、と応じておられた。月下美人がサボテンの中では、一番進化した形だそうだ。(写真はモクキリンの大株。その下が花芽のついた月下美人


 バオバブの木。乾燥に適応するために葉を落とすが、光合成はどうするのか。幹をこすって見せて下さった。

樹皮のすぐ下が緑色で、幹でも光合成しているのだそうだ。そういえば、サボテンも、幹を肥大させて緑色の幹で光合成しているわけだ。棘は、葉が変形したもの。

 農協の皆さんが、喫茶コーナーへ行かれたあと、H先生が実習生を集めて、解説のコツを伝授。今日の解説は失敗した。猿の話のあと、お客さんがショップに気を取られてそちらへバラバラと流れてしまった。でも、花は咲くのか、食べられるのか、の質問は、栽培農家の方たちならでは、とのこと。実習生たちは、このあと、最大の難関、鶏の糞の始末へと向った。前日の電話で、今日は猿の世話をしていますよ、という事務局長さんのお話を聞いて、うちの学生は大丈夫か?と気がかりだったが、本人は、猿は好きだから嬉しい、今日はウサギのえさやりと、ゴキブリ取り。ニワトリの糞を穴に埋めるのが・・・・先生、変わりましょう!と。
 I先生のお部屋に戻ると、今からスーパーに、野菜屑を貰いに行くと言われる。猿の餌代が高くつくのを、I先生が来られてから、スーパーと交渉して大幅な節約になっているとのこと。I先生は、何でもこなされるようだ。
 もう一度、バイオリウムに戻って、写真撮影と、ショップを覗く。多肉植物はもちろん、食虫植物、熱帯魚、水草も扱っていて、楽しいひと時を過ごす。ここのバイオリウムは、名札がしっかりついているのが嬉しい。


(以下の写真は3枚で一組・・・組み合わせは間違っていないかな?)



 私の興奮の原因は、多肉の中でもパキポディウムが好きだからで、パキポの一大産地がマダガスカルだからだ。ただし、私の植物趣味は、中学生までで終わっていて、知識その他は小中学校の頃で止まっている。




 I先生や、多肉がご専門のH先生のお姿を拝見していて、自分の人生について、深〜く、反省というのか、ここ2〜3年強く感じている今更どうしたら・・・という中途半端感(それは、仕事も趣味もの両面なのだが)をさらに深めてしまった。

 近藤典夫先生像。近藤先生のお名前は、伊豆シャボテン公園の沿革史の中で知った。