烏来泰雅民族博物館(2009年11月1日)

 11月1日(日)、朝から雨。なので台北から日帰りで、温泉に出かけることにした。温泉プラス原住民の文化に触れることができる場所という選択で、烏来(ウーライ)へ行くことにした。MRT新店駅下車、路線バスに乗り換える。駅の案内板を確かめ、少し離れた場所のバス停を探し当てた。路線バスに乗ること約30分、バスは町を出て、坂道を登り、どんどん標高を上げていく。バス自体は、悠遊カードの引き落としが使えるので、あまり心配なく乗れた。川沿いの道で、霧が立ち込める。
 終点には、大きな駐車場(?)があった。川沿いに道なりに進んでいくと、すぐに土産物屋が並ぶ温泉街があった。

雨足がきつくなり、慌てて、温泉街のすぐ入口にあった烏来泰雅(タイヤル)民族博物館に駆け込む。

 流暢な日本語で話しかけられ、チケットを買ったあと、丁寧な館内案内を受けた。もうすぐ、上の階で機織りの実演が始まるとのことだった。館内は撮影禁止。それで、記憶がもう定かではないのだが、館内のそこここに、案内の女性がいて(ボランティアスタッフか?)、よく話しかけられた(楽器の説明など)。印象に残っているのは、首狩りの説明のパネルに、「現代の戦争の大量殺戮のほうが残酷」と書いてあったこと。もう一つは、白黒の映像で、日拠時代に、日本人が樟脳製造を行い、木を伐採しすぎて、やがては樟脳の生産が衰退したという内容の、当時の記録フィルム。有名な日本企業の名前が出てきたが、どこだか忘れてしまった。
 さらにその上の階には、企画展スペースがあり、原住民アーティストの工芸品が展示されていた。これを商業ベースに乗せるのは難しいだろうというのが、正直な感想だ。
 全体として非常にまじめな民族博物館で、好感度は高い。展示室に置いてあった写真集を買おうと思って尋ねると、現在は売れるものがないとのことで、手帳の体裁をした小冊子とパズルを代わりにタダでプレゼントしてくれた。館内にショップ等はないので、もともと販売は考えていないのだろう。大変、親切にしていただいた。

公式サイトはこちら(音が出ます)→http://www.atayal.tpc.gov.tw/