元興寺実習

takibata2007-08-02

 昨日から全体実習が始まって、昨日は学内で、今年初めての試みとして、茶室のある松籟庵を借りて、非常勤のT先生に、軸装・巻子の取り扱いを指導していただく。私は、学内の所用で、時折顔を出す程度。
 今日は、一日、奈良の(財)元興寺文化財研究所で実習。台風でどうしようかと思っていたが、蒸し暑いだけで、ほとんど雨にもあわずに済んだ。午前中は、N先生から聖教・典籍類調査の基礎の手ほどきを受ける。たいへん分かりやすい説明で、楽しく勉強させていただいた。学生たちといっしょに調書取り。回覧して下さった、丸山勇『ブッダの旅』(岩波新書、2007)はカラー版で興味深く、買って読んでみたい。
 午後からは、O先生のご指導で、版木の拓本取り。例年は野外で石仏の拓本を取っていたのだが、今年は人数が少ないので、屋内での作業。涼しく、蚊にも刺されないので、みな熱中。実習風景を写真に撮ろうと、デジカメを持って行ったのに、午前・午後とも、私自身が作業に熱中してしまい、写真のことなど完全に忘れてしまっていた。
 解散して初めてカメラを取り出す。それにしても、最後に思ったのは、学生たちは、設定された課題には、熱心に取り組むのに、それ以外のことには(+αの)好奇心がないのかということ。せっかく、世界遺産かつ、国宝のお堂と禅室のあるお寺に来ているのに、“見て回る”ことには、関心がないらしい・・・こういうのはなぜ?と不可解。数年前には、実習の帰りに、奈良の他のお寺を自発的に楽しんで回って帰る男子学生2人組などもあったのだが。
 “「好奇心」は教育できるか?” 帰路、ずっとそのことが気になって仕方がなかった。
 写真は、元興寺極楽坊(2007年8月2日撮影)