2007-01-01から1年間の記事一覧

「今、問われる 文化施設の使命とは」(5)

小林真理先生のお話の続きを。 文化施設は営利的に成り立たない。博物館や美術館は、(公的支援なしには)基本的には存在しえない。文化ホールはいざとなれば、チケット代に上乗せ(することができる)。S席に5〜6万円(つければ)、それで成り立つ。行ける…

「今、問われる 文化施設の使命とは」(4)

小林真理先生のお話の続きを。 幅広く文化施設(と言ったが)、どういう施設なのか。どんな公共サービスを提供する施設なのか。何を目指して(は)、設置条例に書いてあるが(大概が)、抽象的に、地域の文化振興のために、といったこと(しか書いていない)…

「今、問われる 文化施設の使命とは」(3)

小林先生のお話の続きを。指定管理者制度の制度自体の紹介は、興味深く伺った部分のみ、メモに基づき復元させていただく。()は、私が想像で補った部分。 公の施設とは何なのか? 地方自治法第10条の2には、「住民は、その属する普通地方公共団体の役務の…

デザイン変更のお知らせ

あれっ、と驚かれた方も多いと思いますが、ブログのデザインを変更しました。昨日までのデザイン・色も気に入っていたのですが、サイドバーが右に表示されると、コメント欄が使いづらい欠点(書き込み窓の右側がサイドバーで隠されてしまう)がありました。 …

『「なぜか、仕事が速い人」の時間管理術』

最近、ハウツー本、自己啓発本ばかり読んでいる気がするが、これもその1冊。梅田さんの『ウェブ時代をゆく』を探していたときに、偶然、書店の本棚で見つけた(先週の火曜日)。その日は買わなかったが、タイトルが気になって、今日、買ってすぐに読んでし…

横須賀市のその後

1993年に横須賀芸術劇場を造り、2007年、横須賀美術館をオープンさせた横須賀市で、今度は、以前から話題に上っていた図書館新築計画が、表立ってきたようだ。今日、吉田雄人さんのHPで知った。 建物を新築しなくても、図書館サービスは充実できる!の雄人さ…

「今、問われる 文化施設の使命とは」(2)

まず、小林真理先生(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)の講演から。私なりに理解した概要のダイジェストを(制度の説明等は簡略化させていただく)。なお、正確な記録ではないので、文責は私にある。当日のメモに基づき、()は想像で補足した部分。 …

「今、問われる 文化施設の使命とは」

今日は夕方、上記タイトルのシンポジウムを聞きに行った。ある方から案内をいただいて、内容に興味を持って出かけたのだが、実は会場で質問させていただくまで、どこが主催者なのか分からず、会の目的(落としどころ)もよく分からず、行けば分かるだろう位…

『いつまでもデブと思うなよ』

昨日は、人間ドックの結果を受けての再検査のために丸1日絶食。今日、午前中、病院へ。食べられないつらさから気をそらすために、岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書、2007)を読んだ。読み飛ばしてしまったところもあるが、非常に思い当た…

『ウェブ時代をゆく』

梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書、2007)を読んだ。本日発売の本で、新田辺、北大路、烏丸と、移動の途中の本屋で探したが、置いていない。最後に行った四条のジュンク堂でやっと入手できた。 おもしろく読んだが…

『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』

大町からの帰路は、小宮正安『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』(集英社新書ヴィジュアル版、2007)を読んだ。これは三中さんのHP(10月20日、22日)で知ったもの。 博物館学系の本に慣れていると、違和感を覚える本。こちらの頭が、いかに近代的な価値観…

『躍動するフィールドワーク』

井上真編『躍動するフィールドワーク―研究と実践をつなぐ―』(世界思想社、2006)を読んだ。非常に面白い本で、これも小田中さんのブログでの紹介で知った。 井上ゼミ(東京大学大学院農学生命科学研究科)の門下生、関係者らが、「フィールドに沈潜する」「…

人間ドックなど

人間ドックが終わって、バリウムの詰まったおなかが重い。3人でドックを受けたが、私以外の2人は、胃カメラを選んだ。飲み込むときに気持ち悪いらしいが、あとは楽とのこと。バリウムと胃カメラと、どっちが楽かで、初対面3人で盛り上がる。 3人とも胃以…

原稿書けた!

大学祭シーズン。だけど飛び石で仕事や会合が入って、遠方の調査にも行けず。(沖縄時間美術館、行きたかったなあ〜) 合間に原稿書き。たった15枚分だけなので、すぐに分量いっぱいになってしまった。「論文」ではないエッセイ形式のもののほうが書いていて…

『フランス革命 歴史における劇薬』

朝、出勤途上で読み始め、ついつい面白くて、結局帰宅後に読み続けてしまった本。遅塚忠躬(ちづか・ただみ)『フランス革命 歴史における劇薬』(岩波ジュニア新書、1997)。この本を読んだのは、小田中さんの『フランス7つの謎』の読書案内の中に、この遅…

『系統樹思考の世界』

三中信宏さんの『系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに』(2006、講談社現代新書)を読んだ。この本を的確に紹介する力量など私にはないが、個人的に勉強になったところなどを。 研究対象の性質上、典型的な自然科学が要請する基準(「観察可能」「実験…

塩の道を歩く(4)

虫川を出発して、逆光に映えるススキと、今年刈り入れをした田んぼが残る山間の道を緩やかに登っていく。みなさんの観察眼はするどく、道々の植物をいろいろと発見し、コメントされていく。“何か珍しいものがないかな〜と絶えずキョロキョロしているからね〜…

博物館法改正問題のその後

昨日、花園大学で、全博協西日本部会が開催された。会場に着いて、初めて、文科省の栗原祐司さんの講演「新しい時代の博物館制度の在り方について」があることを知った。 パワポの資料24枚分が配布され、メモも取っているが、結論部分だけ書くことにする。以…

塩の道を歩く(3)

須沢臨海公園から、南へ舗装道を歩く。橋脚が並ぶのは、新幹線の橋脚になる予定だそうだ。もう一つ、印象深かったのは、姫川第七発電所。第七、というからには、一から六もあるのだろう。山の上から、3本の太い銀色の送水管(水圧鉄管というらしい)が降り…

『悪女の老後論』

堀江珠喜『悪女の老後論』(平凡社新書、2007)を読んだ。痛快な本で、職場への行き帰りで読んで、残りは夕食後、一気に読んでしまった。 実の母親を神戸の繁華街近くの有料老人ホームに入居させたお話。堀江さんは、最初は、「姑(おや)を老人ホームに入れ…

塩の道を歩く(2)

相沢先生の他は、友の会会員20名だけで(つまり学芸員の引率はなしで)出発、バスの運転手さんは女性。バスは、新潟県の糸魚川を目指して、JR大糸線沿いに走る。 山博友の会では、昨年までは姫川の右岸を「塩の道・東回りコース」として歩いたらしい。今年か…

塩の道を歩く(山博友の会)

大町山岳博物館友の会の行事「塩の道を歩く―7 須沢から小滝へ」に参加した。昨晩泊まった駅前の七倉荘という旅館はとても快適で、これで大町での宿泊の悩み(大町温泉郷は宿は素晴らしいがアクセスが不便、ビジネス仕様ではない。松本からは遠い)は解決し…

懲りないハト

2〜3日前から、近所で、デデーポッポとまたキジバトが鳴き出した。家の中にいてもよく聞こえる。先ほど、ふと門の上の松の木を見上げると、またキジバトが巣に乗っていた。 前回、繁殖に失敗してから(9月26日)、3週間、立ち直りが早い(?)。今度は、あ…

『パリ砂糖漬けの日々』

今朝、注文していた本がドサッと届いた。かたい本が多い中で、一番楽しみにしていたのがこれ(多田千香子『パリ砂糖漬けの日々』文芸春秋、2007)。書評で読んで中身はある程度、想像がつく感じがしたが、読んでみて、やっぱりこういう人っているのね・・・…

『官邸崩壊』

ついつい面白くて、最後まで一気に読んでしまった。上杉隆『官邸崩壊』(新潮社、2007)。ここに書かれていることが、ウソか本当かは分からない。読み物としては、非常にうまく書けている。政治ということを切り離して、むしろ、組織とか権力について、あれ…

『砂漠化ってなんだろう』

根本正之『砂漠化ってなんだろう』(岩波ジュニア新書、2007)を読んだ。砂漠そのものの説明と、砂漠以外の場所が砂漠化していったメカニズム、それに順応する形での緑化方法を、著者の主として中国での実験・観察の経験に基づいて述べた本。驚いたことも色…

『現代史を学ぶ』

小田中さんの読書案内にあった溪内謙(たにうち ゆずる)『現代史を学ぶ』(岩波新書、1995)を読んだ。今の私自身の心の中に、ひたひたと語りかけるものがあった。 禁欲的な実証主義の歴史家としての研究歴と、研究を作り上げる作業から練り上げた方法論が…

『日本の山はなぜ美しい』

小泉武栄『日本の山はなぜ美しい―山の自然学への招待―』(古今書院、1993)を読み終わった。ライチョウ会議の折、ご本人のお話が面白く、会場で買って帰ったもの。 ごく狭い範囲内に、さまざまな植物群落や微地形、残雪などがモザイク状の複雑なパターンをつ…

バーデン州立博物館(Badisches Landesmuseum Karlsruhe)(9月5日)

最後にカールスルーエ城の東側を占めるバーデン州立博物館へ行った。入り口前に、小学校の団体。特別展でエジプト展をやっているが、ドイツでエジプト展を見てもなあ、という気持ちがあり、これは後回し。 常設展も、古代文明から始まる。展示面積も広く、い…

Staatliche Kunsthalle Karlsruhe/Orangerie(カールスルーエ州立美術館)(9月5日)

続いてカールスルーエ州立美術館へ。植物園の温室に接したオランジェリーのドアが、開館時間の10時になっても閉まっているので、ガチャガチャやっていると、受付の女性が、ごめんなさいと鍵を開けてくれた。公園側のドアを開け忘れていたようだ。オランジェ…